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バレーボール

不祥事の大阪府バレー協会の改革に、日本協会が異例の介入へ。川合俊一会長は「大人なんだから変わらないといけないと実感してもらいたい」

北野正樹

2022.10.14

オンライン会見する川合俊一会長(左は村上成司事務局長) ※写真はスクリーンショット

オンライン会見する川合俊一会長(左は村上成司事務局長) ※写真はスクリーンショット

 日本バレーボール協会(JVA)の川合俊一会長は、10月13日に開いた理事会後のオンライン記者会見で、大阪府バレーボール協会(OVA)の経理担当理事が協会資金2579万円を着服した問題に関連し、JVAの経理担当部長を随時、OVAに派遣して抜本的な体質改善が行われているのか指導していることを明らかにした。全国組織を統括する競技団体が、地方協会の組織改革への取り組みに介入するのは極めて異例。

 OVAの不祥事は、経理担当理事が2014年から20年にかけ、計52回、OVAの通帳からカードで引き出した2579万円をインターネット上のスーパーチャットへの課金など遊興費に使って着服。OVAは当初、不祥事の公表を渋っていたが、川合会長の指示で今年6月28日、大阪市内で記者会見を開いて公表し、謝罪していた。
 
 OVAのずさんな経理が不祥事を招いたこともあり、JVAは全国の都道府県協会に法人化を指示。OVAに対しては、理事会や組織改革のプロジェクトチームの会合、法人化準備委員会での議論など、進捗状況の報告を随時求めてきた。

 しかし、OVAは7月末期限の報告書の提出をしなかったほか、再度求められた報告書の内容が不備であったことなどで、JVAは不信感を募らせてきた。

 また、OVAが今回の不祥事の問題点を探り、新たな組織改革の参考とするための「第三者委員会」の設置を見送ったことに対しても、OVAの本気度が伝わらないとして疑問視。

 JVAやOVAによると、OVAからの報告に対し、すでに経理担当が来阪し直接、書類の確認などをして説明を求めているという。

 村上成司・JVA事務局長は「OVAから法人化に向けての説明は受けているが、法人化するだけでなく組織をどうするかが重要。法人化は単なる協会の運営システムの変更だけでなく、抜本的な体質改善が必要であると考えている」と説明。

 川合会長も「第三者委員会も開いたらいいんです。大人なんだから、自分たちで努力してほしい。JVAから経理担当部長を派遣し、おかしい点や変わっていないことがあれば、我々は介入していく。まずはしっかりと見ていくが、自分たちの手で変わらなきゃいけないと実感してもらいたい」と、積極的に関与していく方針を示した。

 OVA内部では、川合会長が同席して不祥事を公表した謝罪会見について「川合会長のパフォーマンスだ」という意見があるほか、「謝罪会見をしたことで不祥事は終わった」という声も根強いという。

 そうした声が上がっていることも、JVAが直接介入する大きな理由だ。OVAには、協会資金の着服が個人の犯罪だけでなく組織に問題があったからだと、改めて受け止めて反省する必要がある。

取材・文●北野正樹(きたの・まさき)

【著者プロフィール】
2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。関西運動記者クラブ会友。
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