元エテリ門下生が、いよいよ始動する。

　今年２月の北京オリンピックで銀メダルを獲得したアレクサンドラ・トゥルソワが、エテリ一門からスベトラーナ・ソコロフスカヤ氏が主宰するCSKAモスクワに移籍を決断するニュースが報じられたのは、現地時間の10月１日。ロシアの国内シーズン開幕を控える中、急転直下の展開だった。

　トゥルソワがエテリ・トゥトベリーゼ氏の元から“離脱”して約１ヶ月。ロシアスポーツメディア『FS Gossips』は24日、トゥルソワの今季の振り付けを担当するニキータ・ミハイロフ氏のインタビューを掲載。その中で同氏は「トゥルソワは“努力家”であり“個性派”。大きな才能を持っていて、彼女はほとんど何でもできる」とトゥルソワの才能を絶賛した。

　ミハイロフ氏は今季、トゥルソワの新しいプログラムの振付師に就任。同氏は彼女の能力について「トゥルソワは努力家で、個性的なハードワーカーです。大きな才能がありますね。彼女はほとんど何でもできます。一緒に仕事をするのはスリルがあります」と高く評価した。

　さらにミハイロフ氏は、４回転ルッツをはじめとした高難度の４回転ジャンプに注目が集まるトゥルソワの一面を“振付師”ならではの視点で、トゥルソワの特徴をこう述べている。
  「プログラムを作る過程で、トゥルソワとはいつも全ての動きについて話し合います。彼女には一つの特徴があります。彼女はすぐに私にこう言いました。『ニキータ、私は即興で動くことはできません。いつ、どこで、何をするのか、はっきりさせないと。お願いだから、全部入れてください』と。私は『分かりました』と言いました」とミハイロフ氏は笑いながら答えた。

「トゥルソワは『ちょっと待ってください。ここはどうしたらいいのか、教えてくれませんか？』と言うのです。これはおそらく彼女の際立った特徴であり、どこを見ればいいのか、どこで手を振ればいいのか、秒単位で完全に理解しています」

　指導を受け流さず、自分に妥協しない。納得するまでコーチと一緒にプログラムを作り上げる。ミハイロフ氏と二人三脚で練り上げたプログラムは、現地時間10月29日のロシアグランプリ・ステージ２のソチ大会で披露する予定だ。これがトゥルソワにとって、CSKAモスクワ所属として初めて迎える公式戦。エテリ・トゥトベリーゼコーチの元から離れた新生・トゥルソワの新プログラムが、いよいよベールを脱ぐ。

構成●THE DIGEST編集部

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