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ドーピング結果「非公表」のワリエワに全米反ドーピング機関が怒り!「無罪なら隠すことなく公開すべき」と訴え

THE DIGEST編集部

2022.10.22

ドーピング疑惑のワリエワだが、最終結果は「非公開」とRUSADAが発表した。(C)Getty Images

ドーピング疑惑のワリエワだが、最終結果は「非公開」とRUSADAが発表した。(C)Getty Images

 今年2月にフィギュアスケート界に激震が走った。女子シングル世界最高得点保持者のカミラ・ワリエワの検体(昨年12月のもの)から禁止薬物の「陽性」反応が出たのだ。

 ロシア反ドーピング機関(RUSADA)は、その後調査に乗り出していたが、現地時間10月21日、当時15歳(現在16歳)という「保護対象者」であったことを理由に、ドーピング検査結果を「公表しない」と声明を出した。

 北京五輪の団体金メダルに貢献した彼女は直後に、ドーピング陽性反応が発覚。個人でもリンクに立ったが、ファンは容赦なく非難の目を向けた。そのためショートプログラムでは首位に立つも、フリースケーティングでは本来の力を発揮できず4位に沈んでいる。

 今回のロシア当局の煮え切らない答えに米国反ドーピング機関(USADA)の最高責任者トラビス・タイガート氏は怒りの反応を示す。英メディア『Inside the Games』によれば、「決定事項を秘密にすることは、プロセス全体を馬鹿にしている」とRUSADAを非難し、「法的に無罪であるなら、隠すことなく公表するべきだ」と指摘する。

 そのうえで同氏は、「WADA(世界ドーピング防止機構)のアンチドーピングシステムを選手や一般市民が信用できないのも無理はない」としながらも、「WADA、ISU(国際スケート連盟)、IOC(国際オリンピック委員会)は最終結果を信じてもらえるよう、規則に従い、決定事項は速やかに発表し、オープンな手続きを踏むべきだ」と主張。今回の件に関しては以下のように言及した。
 
「2022年北京五輪で起こったことが本当で、これまでもロシア人による不正な勝利はないと、選手や一般市民が信じることは不可能です。証拠が明確にあるので」

 さらに「RUSADAはこの声明のなかで、ワリエワの名前さえも口にしていない。 代わりに、『ROCチームのフィギュアスケーター』と発表していた」と不満も漏らしている。

 このRUSADAの決断に対し、国際スケート連盟(ISU)、国際オリンピック委員会(IOC)、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)の機関は、スポーツ仲裁裁判所に上訴できる。いまだ終わりが見えない同騒動、果たしてどのような結末を迎えるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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