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「スケートカナダへ行ってきます!」親友ウクライナスケーターへ朗報なるか。国境を越えた友情にスケートファンら期待

THE DIGEST編集部

2022.10.28

今季のGPシリーズに初出場するスイスのブリッチギー(左)とウクライナのシュムラトコ(右)。お互いをリスペクトする様子に、スケートファンらは称賛を寄せる。(C) Getty Images

 現地時間10月28日からフィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第2戦カナダ大会が始まる。日本からは男子が世界王者の宇野昌磨、先週のアメリカ大会でいきなり表彰台(2位)に立った17歳の三浦佳生が出場する。女子では、昨シーズン全休した紀平梨花が久々に海外試合に参戦。トリプルアクセルが武器の横井ゆは菜、20歳の渡辺倫果は初のGPシリーズに挑む。

 シングルだけでなく、今大会にはペアとアイスダンスにも日本の注目カップルが出場する。ペアは、3月の世界選手権で銀メダルを獲得した三浦璃来&木原龍一が登場。日本のペア過去最高成績を残した二人が、満を持してGPシリーズ優勝を狙う。

 アイスダンスでは、全日本選手権4連覇の小松原美里&小松原尊が出場する。私生活でも夫婦の二人は、今年の北京オリンピックにも出場。息の合った動きで、GPシリーズ初戦を迎える。

 日本人の活躍が大いに期待される今大会。そのなかに、スイスから24歳のルーカス・ブリッチギーも出場する。

 ブリッチギーはスイス代表として、今年の北京オリンピックに初出場。スイス国内で期待されるホープで、今月16日のブタペスト杯では会心の演技を披露し、フリーと合計で自己ベストを更新。表彰台(2位)に立ち、勢い良く今週のカナダ大会に乗り込んできた。17日には自身の公式インスタグラムを更新し「ブダペストで新しい自己ベストだ!次の目的地はGPスケートカナダ、待ちきれない!!応援してくれたみんなに感謝します」と感謝のコメントを綴り、自身初のGPシリーズデビュー戦を楽しみにしているようだ。そして、ブリッチギーを祝福するメッセージのなかには、かけがえのない親友もいた。

 ウクライナのイワン・シュムラトコだ。シュムラトコは2月の北京オリンピックに出場したウクライナを代表するスケーターで、3月の世界選手権にも出場。当時、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まってから1か月。同郷選手の出場辞退やコーチも現地入りできない状況の中、たった一人で参加。戦争が続く中、大会に参加するかどうか最後まで葛藤しながらも、母国代表としてウクライナの誇りを胸に出場を決意。国旗の青と黄色を基調とし、背中には「UKRAINE」の文字が入った代表公式Tシャツを着用した。競技用の衣装と関係なく熱演するシュムラトコの姿は観衆の胸を打ち、演技後には客席からスタンディングオベーションで大きな拍手が送られ、ウクライナ国旗も振られた。
 
 ブリッチギーとシュムラトコは互いのツイッターやインスタグラムに写真を載せ合い、今季シーズン前の7月24日には二人でライブ配信も実施するほどプライベートでも仲の良さを発信している。海外のスケートファンからも「二人とも素晴らしいスケートができますように」「最高のデュオだ」「カップル!?」「お互いを尊重し合う、あなた方の素晴らしい友情を感じます」など、二人を応援する意見が多く寄せられている。

 シュムラトコは来週11月4日からのGPシリーズ第3戦フランス大会に出場を予定しており、同大会には親友のブリッチギーもカナダ大会からの連戦で出場を予定している。ブリッチギーは26日に「カナダへ行ってきます!GPスケートカナダ」と炎の絵文字を添えて、カナダ大会に臨む意気込みをツイッターで更新した。

 はたして二人はフランス・アンジェでは、どんな報告を送るのだろうか。まずは、ブリッチギーがスケ―トカナダで先陣を切る。

構成●THE DIGEST編集部

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