日本のエースが、世界に力を見せつけた。

　現地時間10月29日にフィギュアスケートのグランプリシリーズ第２戦カナダ大会のフリーが行なわれ、前日のショートプログラム（SP）で２位発進となっていた宇野昌磨（トヨタ自動車）が183.17点を記録。合計273.15点で逆転優勝を飾った。

　SPで首位に立った17歳の新星である三浦佳生（オリエンタルバイオ・目黒日大高）を負っていた宇野。逆転を狙って挑んだこの日は回転不足をとられるジャンプも少なくなかったが、演技冒頭に４回転ループを着氷させるなど、大きなミスのないパフォーマンスを披露。「Ｇ線上のアリア」の世界観をしっかりと体現した。
  　フリー後の会見で「練習のいい部分も悪い部分もしっかり出た演技だった」と振り返った。今年１月の北京五輪銅メダルの実力を知らしめた宇野には、海外メディアからも賛辞が相次いでいる。

　米紙『Barrons』は「日本の世界王者であるウノはフリーで奮起した。そして同胞のミウラから7.86点差を逆転して王冠を奪い取った」とレポート。さらに米放送局『NBC Sports』も「ウノは世界王者の力を見せた。５回の４回転ジャンプに挑戦した彼はショート プログラムでの２位発進から大きく改善し、見事に優勝した」と力強い演技を褒めちぎった。

　勢いに乗っていた三浦に地力を見せつける格好となった宇野。11月18日に開幕するNHK杯に向けても、期待を持てる戴冠劇だった。

構成●THE DIGEST編集部

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