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フィギュア

フィギュア界の新時代を切り開く17歳・三浦佳生ってどんな選手? ひたむきさに満ちた若き逸材の魅力に迫る!

長谷川仁美

2022.12.08

今季からシニアに転向した三浦。スピードを生かしたダイナミックな演技が持ち味だ。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

今季からシニアに転向した三浦。スピードを生かしたダイナミックな演技が持ち味だ。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 12月8日から、フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルが、イタリア・トリノで始まる。男子シングルに出場する6選手のうち、なんと4人(宇野昌磨、三浦佳生、山本草太、佐藤駿)が日本人選手だということでも、今大会は注目を集めている。

【フィギュアスケート ジャパンオープン2022 PHOTO】宇野昌磨、坂本花織、紀平梨花、三浦佳生が大活躍!米国の17歳マリニンは4回転アクセルに挑戦

 6選手のうちの最年少は、17歳の三浦佳生。今シーズンが本格的なシニアデビューとなる三浦は、若い魅力にあふれた選手だ。

 三浦を思うとき真っ先に浮かぶのは、スピードを落とさないまま跳ぶ4回転ジャンプだろう。通常、ジャンプを跳ぶ前には、踏み切る瞬間のエッジがブレないよう助走スピードを落とすもの。だが、一度見ていただくとわかるように、三浦のジャンプの助走には、「スピードを抑える」というパートがない。本当に、ない。

 猛スピードのまま踏み切るジャンプでは、跳ぶ瞬間にエッジの向きや方向などが不安定になるはずなのだが、三浦はスピードのエネルギーをそのまま跳んでいく力に変えている。それがジャンプの迫力にも繋がっているのだ。スピードを落とさないままの踏み切りで、三浦は、4回転のトウループ、サルコウ、ループを跳ぶ。何度見てもそのスピードと迫力に少し驚いてしまうジャンプを、今大会でも見せてくれるだろう。

 フィギュアスケートというのは、演技する数分間の中で、自然とその選手の人柄がにじみ出るスポーツである。三浦の演技から伝わってくるのは、「ひたむきさ」とか「一生懸命」といった印象だ。
 
 スピードを抑えずに跳ぶジャンプだけでなく、スピンやスケーティング、演技全体が、エネルギッシュでダイナミック。どの瞬間も一生懸命で、力に満ちている。目の前のことにひたむきに取り組む姿……。たとえば「このジャンプを決める」とか、「ここで野獣から王子になる(ような表現を見せる)」というように、瞬間瞬間に全力を出しそれを積み上げていく姿は、見る者の目をとらえて離さない。

 さらに言うと、三浦の素晴らしさは、そうしたひたむきさを隠さないところ。まっすぐに頑張れるところ、頑張り切れるところにある。助走スピードを抑えないまま踏み切る三浦は、ジャンプで転倒すると、その力のまま氷に叩きつけられることもある。痛そうで怖そうな、ダイナミックな転倒だ。大会の公式練習などで見る三浦は、そんな転倒を繰り返しても、諦めない。「次こそは」と闘志を燃やしているように見える。
 
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