“世界バンタム級４団体王者”の称号を手にした井上尚弥に、米専門メディアも賛辞を贈る。

　12月13日、バンタム級４団体統一に向けた最後のベルト獲りに挑んだ井上尚弥は、東京・有明アリーナで、WBO世界同級王者・ポール・バトラー（英国）との大一番を迎えた。バトラーはモンスターを前に固いガードを敷いたため11回にまでもつれ込んだが、最後は井上が強烈なボディーをきっかけにロープ際に追い込んで連打で仕留め、ノックアウトで勝利を飾った。

　ボクシング界の歴史的瞬間を一目見ようと、日本だけでなく世界中の関係者が同マッチを食い入るように観戦したようだ。米国専門メディア『The Ring』は、「ボクシング界最高峰のひとりが圧倒的なパフォーマンスで、観客の前で１勝し、最後の1本を手にした」と称賛する。

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　序盤から手を変え品を変え、多彩な攻撃を繰り出したモンスターだが、バトラーは応じなかった。そんななかで、同メディアは「３回には右ストレート、左ボディフックと二刀流攻撃で、“童顔の暗殺者”を数秒ひるませた」と絶賛し、その後の流れをこう伝えた。

「優れたハンドスピードと卓越したフットワークでバトラーを圧倒し、バトラーは守りに徹するしかなかった」
  　さらに中盤の展開には「イノウエはバトラーのガードを破るために、手を下げたり、後ろで組んだりという挑発をせざるを得なかった」と評したうえで、「イノウエは手堅い攻撃ながら煽った。だがバトラーはほとんど手を出さず、サバイバルモードに入っていた」と一方的な展開であったと記している。

　バンタム級最終章でも圧倒的な強さを世界に示した井上。来年はスーパーバンタム級に階級を上げて、同級の強豪たちに挑むようだ。

構成●THE DIGEST編集部

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