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“試練”を乗り越えた三原舞依に米放送局が脚光!「みんな彼女に恋をした」関係者を虜にする苦労人の魅力とは?【全日本フィギュア】

THE DIGEST編集部

2022.12.23

演技後には弾けるような笑みを浮かべた三原。その陰には幾多の困難があったようだ。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 フィギュアスケートの全日本選手権が12月22日に開幕した。初日の女子シングルのショートプログラム(SP)で2位につけたのは、先日行なわれたグランプリ(GP)ファイナルを制した三原舞依(シスメックス)だ。

 初の日本一を目指す三原は「戦場のメリークリスマス」の曲に合わせて、冒頭のダブルアクセルに成功すると、3回転フリップも決めた。後半の3回転ルッツ+トゥループは、2本目が回転不足をとられるも、しなやかな美しいスケーティングを披露した。

【動画】三原の復活劇に振付師も感無量!GPファイナルの演技をチェック

 77.79点をマークし首位に立った坂本花織(シスメックス)に対し、3.09点差の2位につけた三原は、演技後には満足気な表情を見せていた。そんな彼女にスポットを当てたのは、米放送局『NBC Sports』だ。実は、2015年に関節が痛む難病「若年性特発性関節炎」と診断を受け、2週間ほど入院生活を送った苦労人なのだ。

 当時の状況は、「痛みが酷く歩くことも困難で、病院内は車椅子で移動していた。大会に再び出場することは絶望的だった」と同メディアは伝えている。そんな彼女をよく知るひとり、トリノ、バンクーバー五輪で活躍したジョニー・ウィアー氏は、「彼女は氷に向かう通路の近くに立ってみんなを応援していた。他のスケーターの演技を見て、できる限り多くを吸収する選手です」と称えている。

 2016年には痛みと格闘しながら競技に復帰。それでも2019年に再び体調を崩し1シーズンを休養にあてている。その頃、カナダ人の振付師デヴィッド・ウィルソン氏のもとに、彼女のコーチから1本の電話があったと同放送局は報じる。
 
「彼女のコーチから1本の電話をいただいたんだ。一緒に仕事をしてほしいと。それは光栄なことだった」

 2週間トロントのクラブに滞在していた三原との想い出について同氏は、「子供たち皆、彼女に恋をしてしまった。彼女は15歳と同じくらいの女の子だ」と彼女の"情熱"について触れた。

 そして「過去の選手やライバルたちと比較しても彼女は"持っている"。今までと違う形で成熟度として表れている」と称賛し、「彼女は健康面で苦労し、他の選手よりも大変な思いをした。だけど、彼女は困難に耐え続け、戻ってきた。本当に感動的です」と続けた。

 幾多の困難を乗り越え、ようやく光が見えはじめた23歳。24日に実施されるフリースケーティング(FS)では、そんな熱きスケーターに注目だ。

構成●THE DIGEST編集部

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