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フィギュア

坂本花織や三原舞依ですら危うい!? 史上最高レベルの女子シングル代表争いの行方を占う【全日本フィギュア】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2022.12.21

全日本選手権に出場する紀平(左)、坂本(中央)、三原(右)。世界選手権の代表争いにも注目が集まる。写真:田中研治、(C)Getty Images

全日本選手権に出場する紀平(左)、坂本(中央)、三原(右)。世界選手権の代表争いにも注目が集まる。写真:田中研治、(C)Getty Images

 フィギュアスケートの国内ナンバー1を決める全日本選手権が12月22日より、大阪府門真市の東和薬品RACTABドームで行なわれる。なかでも女子シングルは、世界選手権の代表3枠を懸けた熾烈な争いにも注目だ。

“群雄割拠”――。そう呼んでもおかしくないほど、今シーズンの日本女子シングルは才能豊かな選手たちが揃い、ハイレベルな争いが期待できる。

 まずは、大会2連覇が懸かる昨シーズンの世界女王・坂本花織。2月の北京五輪で銅メダルを獲得した彼女は勢いそのまま、3月の世界選手権(フランス・モンペリエ)で金メダルを掴み、世界の頂点に輝いた。フランスから帰国後、「4年の節目ということで、今しかないと。思い切ってばっさり切りました」と、トレードマークだった長い髪を切り、ショートカット姿になってイメージを一新した。

 その言葉通り、世界女王として臨んだ今シーズンは平昌五輪シーズンからプログラムの振り付けを担当したブノワ・リショー氏から、カナダ出身の振付師マリー=フランス・デュブレイユ氏と新タッグを組むなど、さらなるレベルアップを図った。
 
 迎えたグランプリ(GP)シリーズ初戦アメリカ大会はショート、フリーともにほぼミスなく完勝。幸先いいスタートを切った。ところが、自国開催のNHK杯では得点源となるジャンプでミスが出て2位となって3連覇を逃した。演技後、坂本は「自分の頭の中で悪魔と天使が戦っていて“頑張らないと”って言っている自分と、“もう頑張り疲れた”っていう自分がいる」と心情を吐露している。

『世界女王』という肩書きは、本人の想像以上に大きなプレッシャーとなっていたのか。シーズン前半のクライマックスといえるGPファイナル(イタリア・トリノ)では初優勝が期待されたなか、ショート首位で迎えるもフリーでジャンプミスを連発。本人も信じられないという表情で、フリーのスコアは6人のなかで最下位。総合順位は、まさかの5位という結果に終わった。

「とにかくこの結果を受け入れるしかない。(敗因は)精神的な面と練習の積み重ねの面の両方かなと思っています。こういうことは、もうこれっきりにしたいなと思います」

 不甲斐ない出来に悔しい気持ちを押し殺して、世界女王は前を見据え心身の切り替えを誓った。

「すぐに全日本選手権が迫っているので、それに向けて切り替えて前向きにできたらいいなと思っています」

 巻き返しを図る世界女王。このままでは終わらない、彼女の底力に期待したい。
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