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格闘技・プロレス

“怪物”井上尚弥が去ったバンタム級を統治するのは? フィリピン紙は40歳ドネアの戴冠に太鼓判「彼は生半可な選手じゃない」

THE DIGEST編集部

2023.01.28

2019年の初対戦時には敗れながらも、井上(右)と壮絶な打ち合いを展開したドネア(左)。その闘志はいまだ弱まっていない。(C)Getty Images

2019年の初対戦時には敗れながらも、井上(右)と壮絶な打ち合いを展開したドネア(左)。その闘志はいまだ弱まっていない。(C)Getty Images

 去る1月13日に横浜市内で開いた記者会見においてボクシング世界スーパーバンタム級への階級上げを正式に表明した井上尚弥は、約1か月前に手にしたばかりだったバンタム級の4本のベルトを返上。「強さを追い求めたいというのが自分の中にある」と新たなステージへ突き進む意向を示した。

 アジア人史上初の4団体統一王者となった“モンスター”が去ったために、バンタム級の王座は空位となった。その座に誰が付くかは必然的に各国で熱視線が注がれている。そうしたなかで、WBC世界同級ベルトを巡って、井上との対戦経験も有する2人の猛者の名前が浮上した。ノニト・ドネア(フィリピン)とジェイソン・モロニー(豪州)だ。

 前者は2019年11月と2022年6月に、後者は2020年10月に井上と対戦。いずれも王座を掛けた大一番だったが、彼らは「世界屈指」と称される29歳の日本人が放つハードパンチに屈してKO負けを喫していた。

 米ボクシング専門メディア『Boxing Scene』によれば、同級2位のドネアと同級1位のモロニーの陣営は2月17日を期限として王座戦の実現に向けて交渉を開始。仮に成立しなかった場合には入札とするという。
 
 とりわけ海外で強い関心が寄せられているのが、40歳のドネアだ。昨年6月の井上戦で、わずか264秒でのTKO負けを喫していたベテランは、その後に階級を下げるかと思われていたが、バンタム級での挑戦続行を宣言していた。

 老いてなお意気軒昂と言った様子のベテラン戦士について、フィリピン紙『Manila Times』は、「ドネアとモロニーはどちらもイノウエの犠牲者だ」としたうえで、「とくにドネアがバンタム級の王座に再び挑戦するのは、イノウエに完膚なきまでに叩きのめされたことを思えば、まさにサプライズである」と驚きを持って報道した。

「40歳にドネアはイノウエに敗れてから、一度も試合をしていない。だが、図抜けたキャリアレコードから彼がWBC本部のお気に入りであるのは明白だ。もしも、モロニーに勝てば、バンタム級で3度目のWBCチャンピオンになる。ドネアはいまだ生半可な選手ではない。この伝説的なフィリピン人の左フックを食らったモロニーのアゴがどうなるかは、興味深いところである」

 井上戦後に「(敗北も)成長の一部だ。また立て直して大局を見るよ」と自信を語っていたドネア。世界5階級制覇の実績を誇り、輝かしいボクシング人生を歩んできた男の挑戦は、まだまだ続いていきそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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