2024年のパリ五輪に向けて、国際オリンピック連盟(IOC)がロシアおよびベラルーシ選手団の競技復帰を検討するとした声明を受け、世界中から反発の声が上がっている。
昨年2月のロシア軍によるウクライナ侵攻以降、両国の選手たちは国際競技大会の大半において除外されてきた。だがIOCは今回、中立的な立場を表明するなどの条件付きで彼らの復帰を検討すると発表。トーマス・バッハ会長も「パスポートを理由に選手が排除されてはいけない」と語り、事実上追認する構えを見せた。
突然の発表に、現役アスリートたちからは反論が相次いでいる。スウェーデン全国紙『Sportbladet』は、現在開催されているスキー女子クロスカントリーのワールドカップで選手たちを直撃し、意見を聞き出した。
スウェーデン代表のエースであるリン・スバンは「戦争が続いているし、復帰に向けた議論さえすべき段階ではない。私はウクライナを支持する姿勢を変えたくはないし、状況によっては(2026年冬季五輪)のボイコットも辞さないわ」と怒りを滲ませた。
同じくスウェーデン出身で、北京五輪でふたつの銀メダルに輝いたマヤ・ダールクビストも同調する。「正直言ってショックを受けた。そんな話をする準備ができていないし、現時点ではあり得ないでしょう」とコメント。さらにノルウェー・スキー連盟のエリク・ロシュト会長は「馬鹿げているし、クレイジーなアクションだな。情勢はウクライナにとってなんら良い方向には向かっていないじゃないか! 時期尚早も甚だしい」と突っぱねた。
ウクライナのウォルディミル・ゼレンスキー大統領も即座に反応している。自身ツイッターを更新し、「五輪の原則と戦争は基本的に相反するものだ。中立地などは存在しない。自らの目で確かめてもらうために、バッハ氏を(最前線である)バフムドに招待しよう」と綴った。ウクライナのヴァディム・フトツァイト青年スポーツ相も「到底受け入れられない」と嫌悪感を示し、「もし復帰となれば、残念ながら我々はパリ大会をボイコットせざるを得ない」と仄めかしている。
IOCとバッハ会長はこうした声をどう受け止めるのか。事態の推移が注視される。
構成●THE DIGEST編集部
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昨年2月のロシア軍によるウクライナ侵攻以降、両国の選手たちは国際競技大会の大半において除外されてきた。だがIOCは今回、中立的な立場を表明するなどの条件付きで彼らの復帰を検討すると発表。トーマス・バッハ会長も「パスポートを理由に選手が排除されてはいけない」と語り、事実上追認する構えを見せた。
突然の発表に、現役アスリートたちからは反論が相次いでいる。スウェーデン全国紙『Sportbladet』は、現在開催されているスキー女子クロスカントリーのワールドカップで選手たちを直撃し、意見を聞き出した。
スウェーデン代表のエースであるリン・スバンは「戦争が続いているし、復帰に向けた議論さえすべき段階ではない。私はウクライナを支持する姿勢を変えたくはないし、状況によっては(2026年冬季五輪)のボイコットも辞さないわ」と怒りを滲ませた。
同じくスウェーデン出身で、北京五輪でふたつの銀メダルに輝いたマヤ・ダールクビストも同調する。「正直言ってショックを受けた。そんな話をする準備ができていないし、現時点ではあり得ないでしょう」とコメント。さらにノルウェー・スキー連盟のエリク・ロシュト会長は「馬鹿げているし、クレイジーなアクションだな。情勢はウクライナにとってなんら良い方向には向かっていないじゃないか! 時期尚早も甚だしい」と突っぱねた。
ウクライナのウォルディミル・ゼレンスキー大統領も即座に反応している。自身ツイッターを更新し、「五輪の原則と戦争は基本的に相反するものだ。中立地などは存在しない。自らの目で確かめてもらうために、バッハ氏を(最前線である)バフムドに招待しよう」と綴った。ウクライナのヴァディム・フトツァイト青年スポーツ相も「到底受け入れられない」と嫌悪感を示し、「もし復帰となれば、残念ながら我々はパリ大会をボイコットせざるを得ない」と仄めかしている。
IOCとバッハ会長はこうした声をどう受け止めるのか。事態の推移が注視される。
構成●THE DIGEST編集部
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