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「裏切り者だなんて笑っちゃうよ」皇帝プルシェンコがIOCの“ロシア復帰案”にまさかの賛同! 以前はバッハ発言に激怒も

THE DIGEST編集部

2023.02.18

何かとその言動が波紋を呼ぶプルシェンコ氏。どんなコメントが飛び出すかはもはや予測不能だ。(C)Russian Look/AFLO

 ロシア・フィギュアスケート界の"皇帝"ことエフゲニー・プルシェンコ氏が、IOC(国際オリンピック委員会)が発出したロシア人選手の"復帰検討案"を支持した。
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 1月25日、IOCは2024年のパリ五輪に関して、現在出場資格が与えられていないロシアとベラルーシの選手がウクライナ侵攻作戦に対して「中立の立場」を示せば、条件付きで参加を認める検討案を明らかにした。

 当然、ウクライナを筆頭に欧州の数か国が猛然と反発し、五輪ボイコットも辞さないとの意思を表明。この動きにIOCのトーマス・バッハ会長が呼応し、「(ボイコットは)オリンピックの基本理念と原則に反する行為だ」と遺憾の意を発する事態に発展した。

 さらに2月10日には、アメリカやイギリス、ドイツなど35か国のスポーツ担当閣僚が緊急のオンライン会議を開催。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領も出席した会議では、パリ五輪にロシア・ベラルーシの選手団を参加させないよう要請することが採決された。

 一方で、ロシア国内では賛否が渦巻いている。国際大会から締め出されている現状を打破するためには「中立の立場」は許容範囲であり、容認すべきだとする意見があれば、ロシア国旗を掲げられない時点で拒否せよという強硬な声も。そんななかで、プルシェンコ氏もロシア通信社『RIA Novosti』のインタビュー取材で私見を述べたのだ。

 結論から言えば、賛成である。40歳になったレジェンドは「専門家や関係者からいろんな意見が出ているのは知っているよ。ただ、中立の旗の下で選手たちがパフォーマンスを披露するだけで裏切り者だなんて、笑っちゃうしかないな」と語り、「アスリートが現役でプレーできる期間は短いんだ。競争できる機会があるならば最大限に利用すべきだよ」と力説。そして最後は「結果的にロシアの選手がどの国を代表しているかは、誰でも完全に分かってることじゃないか」と"らしい"コメントも飛び出した。
 
 昨年10月、IOCのバッハ会長が「決してロシアを復帰させるという意味ではないが、ロシアのパスポートを持つアスリートで、戦争を支持しない者についての競技復帰を考えていきたい」と妥協案を出したが、その際、プルシェンコ氏は次のように話して怒りを露にした。

「誰がそんな決定を支持するものか! どうすれば我々の領土と国家の防衛から距離を置けるだろうか。私を含めて、これに反対するアスリートなど国内にはいない。オリンピックに出たいからといって、この特別軍事作戦を否定し、提案を受け入れろと言うのか。我々の大統領(ウラジーミル・プーチン)を見捨てろ、国家を、領土を、資源を、そして父と母を見捨てろと言うのか。たしかに提案に前向きな意見を持つロシア人アスリートや指導者がいる。実に嘆かわしいことで、理解に苦しむよ」

 つまり「戦争不支持」はダメで、支持も不支持もしない「中立の立場」ならOKというのが氏の考えか。なんとも分かりにくい主義・主張である。

 今回の発言は、2月14日に開催されたロシア・ジュニア選手権後の取材でのもの。同大会にはプルシェンコ氏の教え子である女子スケーター2選手が出場したが、低い採点に不満を爆発させてジャッジとロシア・フィギュアスケート連盟を激しく糾弾した。「こんな不当な仕打ちが続くならば、彼女たちや親たちは他の国へ移って競技を続けようとするだろう。私はその決断をバックアップするだけだ」とまさかの国籍変更を示唆し、物議を醸している。

 育成に携わる指導者として、現役選手たちが活躍する環境を少しでも改善してあげたいという親心から、IOC支持の発言が生まれたのかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部

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