「私がどんな形であれ、誰かを不快にさせたのなら申し訳ない」

　米国男子ゴルフのジェネシス招待に参戦中のタイガー・ウッズ（米国）は現地２月16日、初日9番ホールで同組のジャスティン・トーマス（米国）に女性用生理用品であるタンポンを手渡したイタズラを謝罪した。

　悪ふざけだったとはいえ、ウッズが犯した愚行への批判はいまだ続いている。だが、大会３日目のラウンド中に、幼い少女に見せたウッズの心優しい対応には米メディアを中心に多くの反響が寄せられている。

　現地18日、4アンダーで回り、通算3アンダーとしたウッズは17番ホールで奇妙な看板を持った少女を見かけた。少女はギャラリーエリアの最前列に座り「マイ・バケット・リスト（私が死ぬまでにやりたいこと）」という看板に「心臓移植、タイガー・ウッズに会うこと、オーガスターでプレーする」とメッセージを掲げていた。

　それを見たウッズは女の子のもとに歩み寄りハイタッチ。さらには、サイン入りのゴルフグローブを手渡し、最高の形で少女の夢を叶えたのだ。

　PGA公式ツイッターは、この心温まる場面を投稿。ゴルフファンからは「素晴らしい振る舞い！」「この少女の笑顔は最高」と、ウッズの“神対応”を称賛する声が上がっている。

　米放送局『CBS Sports』のコルト・ノースト記者は、現場近くでこの場面を目撃。「ウッズはファンの側を通り、彼女のバケットリストの2番目の項目をチェックするのに時間を割いていた」と伝え、「この貴重な交流の締めくくりとして、ウッズはサイン入りのゴルフグローブという究極のお土産を彼女に残した」とリポート。ツイッターにも「なんて素敵なシーンなんだ！」と綴っている。
  　英国の日刊紙『Daily Mail』もウッズの神対応に反応している。同紙によると、この少女はマデリン・クインという９歳の女の子で、生まれつき心臓に欠陥があり、わずか2歳のときから3度の心臓切開手術を受けているという。

　クインの夢はプロゴルファーになることで、彼女の父親であるグレッグ氏は元PGAティーチングプロ。これまでに2度、ウッズと彼女を会わせているという間柄だ。

　グレッグ氏はウッズの思わぬ対応に感謝し、「この小さな女の子の夢を叶えてくれてありがとう。いつまでも感謝しています」と自身のツイッターに記し、ウッズへ感謝のメッセージを贈っている。 

　少女との交流が好影響を与えたのだろうか、ウッズの３日目は尻上がりに調子を上げている。1イーグル、3バーディー、1ボギーの67で回り、通算3アンダーで26位に浮上。自ら招いた“炎上”の影響を感じさせないスーパープレーを見せている。

　現地19日の最終日では、どんなタイガーショットを披露してくれるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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