ロシア・フィギュアスケート界を揺るがす論争に新たなレジェンドが参戦だ。
渦中の人物となっているのはほかでもない、冬季五輪でふたつの金メダルに輝いた“皇帝”ことエフゲニー・プルシェンコ氏だ。2月14日に開催されたロシア・ジュニア選手権で、自身が指導するふたりの女子スケーターの採点に不満を爆発させ、「もうウンザリだ! 彼女たちは高難度のジャンプを成功させているのになぜこんなに得点が低いのか!」と発言。「審判ともFFKKR(ロシア・フィギュアスケート連盟)の責任者とも話したよ。『どうしていつも私を目の敵にするんだ?』とね。いったい正義はどこにあるんだ!」と吐き捨てた。
さらに、ロシアのスポーツ界でシビアな事象となっている「選手の国籍変更」にも触れ、「こんな不当な仕打ちが続くならば、彼女たちや親たちは他の国へ移って競技を続けようとするだろう。“溺れ死に”するくらいならね」と示唆。「決めるのは彼らであって、私はその決断をバックアップするだけだ。より必要とされる環境があるならば、そこへ行くのは彼らの自由だから」と続けた。
当然、関係者やファンからは批判的なコメントが殺到する。ロシア通信社『RIA Novosti』が、「プルシェンコがFFKKRに対して脅迫とも取れる発言をして宣戦布告した」と報じれば、名コーチ、エテリ・トゥトベリーゼ氏の陣営で振付師を担うアレクセイ・ゼレズニャコフ氏は、「現在の国を取り巻く状況を考えても、なんと見苦しい発言だろうか。採点が納得いかないものだから、教え子の国籍変更を容認する? 国家に対する明らかな裏切り行為だよ」と断じた。
プルシェンコ氏の妻であるヤナ・ルドコフスカヤさんや、ご意見番のタチアナ・タラソワさんらは数少ない擁護派だが、ここにもうひとり、五輪金メダリストが加わった。2014年ソチ五輪の団体戦でプルシェンコ氏とともに金メダルを獲得した、ユリア・リプニツカヤさんだ。
24歳になった一児の母は公式インスタグラムを更新。プルシェンコ氏の写真を掲載して、「私は毎日、プルシェンコさんが素晴らしい結果を得るために、どれだけ膨大な仕事をしているかを見ています。公正なジャッジがなければ、コーチや子どもたち、親たちの努力のすべてが無に帰してしまうでしょう」と論じ、「変化が必要とされています。私はエフゲニー・プルシェンコさんをあらゆる面で完全に支持します」と言い切った。
感激したのは、プルシェンコ氏本人だ。自身が主宰する「エンジェルズ・オブ・プルシェンコ」でジュニア部門を指導しているリプニツカヤさんに向けて、次のように感謝の返信を書き込んだ。
「ユリア・リプニツカヤが我々のスクールで指導に当たって3年目になるんだ! いつだって共にこの問題に直面してきた! よくぞ沈黙しないで言ってくれたよ!」
ロシア・メディア『Sport24』によると、FFKKRは採点や運営を批判したプルシェンコ氏に対して、ペナルティーなどは科さない予定だという。だがこのまま騒動が拡大すれば、何かしらのアクションがあって然りだろう。そうなれば、プルシェンコ氏は懇意の間柄であるウラジーミル・プーチン大統領や政府高官らに相談するか。
根が深そうな“場外戦”はまだ始まったばかりだ。
構成●THE DIGEST編集部
【画像】ソチ五輪で共に金メダルを手にするプルシェンコ&リプニツカヤ
【記事】「ロシア人よ、頭を上げろ!」怒れるプルシェンコが強烈な愛国心を吐露!「人種差別をやめるんだ」
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渦中の人物となっているのはほかでもない、冬季五輪でふたつの金メダルに輝いた“皇帝”ことエフゲニー・プルシェンコ氏だ。2月14日に開催されたロシア・ジュニア選手権で、自身が指導するふたりの女子スケーターの採点に不満を爆発させ、「もうウンザリだ! 彼女たちは高難度のジャンプを成功させているのになぜこんなに得点が低いのか!」と発言。「審判ともFFKKR(ロシア・フィギュアスケート連盟)の責任者とも話したよ。『どうしていつも私を目の敵にするんだ?』とね。いったい正義はどこにあるんだ!」と吐き捨てた。
さらに、ロシアのスポーツ界でシビアな事象となっている「選手の国籍変更」にも触れ、「こんな不当な仕打ちが続くならば、彼女たちや親たちは他の国へ移って競技を続けようとするだろう。“溺れ死に”するくらいならね」と示唆。「決めるのは彼らであって、私はその決断をバックアップするだけだ。より必要とされる環境があるならば、そこへ行くのは彼らの自由だから」と続けた。
当然、関係者やファンからは批判的なコメントが殺到する。ロシア通信社『RIA Novosti』が、「プルシェンコがFFKKRに対して脅迫とも取れる発言をして宣戦布告した」と報じれば、名コーチ、エテリ・トゥトベリーゼ氏の陣営で振付師を担うアレクセイ・ゼレズニャコフ氏は、「現在の国を取り巻く状況を考えても、なんと見苦しい発言だろうか。採点が納得いかないものだから、教え子の国籍変更を容認する? 国家に対する明らかな裏切り行為だよ」と断じた。
プルシェンコ氏の妻であるヤナ・ルドコフスカヤさんや、ご意見番のタチアナ・タラソワさんらは数少ない擁護派だが、ここにもうひとり、五輪金メダリストが加わった。2014年ソチ五輪の団体戦でプルシェンコ氏とともに金メダルを獲得した、ユリア・リプニツカヤさんだ。
24歳になった一児の母は公式インスタグラムを更新。プルシェンコ氏の写真を掲載して、「私は毎日、プルシェンコさんが素晴らしい結果を得るために、どれだけ膨大な仕事をしているかを見ています。公正なジャッジがなければ、コーチや子どもたち、親たちの努力のすべてが無に帰してしまうでしょう」と論じ、「変化が必要とされています。私はエフゲニー・プルシェンコさんをあらゆる面で完全に支持します」と言い切った。
感激したのは、プルシェンコ氏本人だ。自身が主宰する「エンジェルズ・オブ・プルシェンコ」でジュニア部門を指導しているリプニツカヤさんに向けて、次のように感謝の返信を書き込んだ。
「ユリア・リプニツカヤが我々のスクールで指導に当たって3年目になるんだ! いつだって共にこの問題に直面してきた! よくぞ沈黙しないで言ってくれたよ!」
ロシア・メディア『Sport24』によると、FFKKRは採点や運営を批判したプルシェンコ氏に対して、ペナルティーなどは科さない予定だという。だがこのまま騒動が拡大すれば、何かしらのアクションがあって然りだろう。そうなれば、プルシェンコ氏は懇意の間柄であるウラジーミル・プーチン大統領や政府高官らに相談するか。
根が深そうな“場外戦”はまだ始まったばかりだ。
構成●THE DIGEST編集部
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