格闘技・プロレス

適応性抜群の大物は“力”で凌駕!? 井上尚弥が語った難敵フルトンの印象「一瞬のスピードは自分の方が上」

THE DIGEST編集部

2023.03.06

念願の大一番に意気込みを語った井上。すでにフルトン撃破へのイメージも膨らませている。写真:田中研治

 日本の怪物が、"ボクシングの本場"から当代屈指のスターを呼び寄せた。

 3月6日、ボクシング世界バンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(大橋)は、都内のホテルで記者会見を実施。今年1月に階級上げを表明したスーパーバンタム級の初戦で、WBC、WBO同級王者のスティーブン・フルトン(米国)と地元の横浜アリーナで対戦することを発表した。

「過去最大のモチベーションで臨みます」――。その言葉に強い覚悟が滲み出た。対戦自体は階級上げ発表直後から米メディアを中心に決定的と報じられてきたが、いざ正式に公表するにあたり、「どれだけ凄いことなのかってことを思いながら結果で返したい」と井上も気持ちの高ぶりを隠しはしなかった。

 過去24戦無敗(21KO)と敵なしの強さを誇ってきた井上。だが、フルトンも21戦無敗。KO数こそ「8」と多くはないが、リスクを犯さずにポイントを取りに行くアウトボクシングを巧みにこなすオールラウンダーさが魅力。適応能力は井上も「慎重も、リーチも、自分よりある」と認めるところである。

 会見では映像ながら「俺はどんな相手にも対応出来るし、勝てる」と自信をのぞかせたフルトン。では、そんなアメリカのスターファイターを井上はどう見ているのか? 百戦錬磨の怪物は、こう言葉を紡いだ。
 
「印象としてはジャブをついて、距離を取って、判定で勝つという選手だなと思ってます。でも、そういう選手ほど倒すのは難しさがある」

 それでも井上は「まずパワーでは負けていないかなと思う」と、数多の猛者たちを沈めてきた拳を誇る。そして、フルトン戦の持つ意味を語った。

「スピードも一瞬のスピードであれば、自分の方が上だなと思っています。ただ、戦術に関しては闘ってみないと分からないですね。自分自身を信じる気持ちでやるしかない。どういう試合が出来るかは、まだ分からないんですけど、当日自分自身に期待して挑みたい」

 それでも「この試合では勝ちに徹したい」と勝利への欲求を口にした井上。その鋭い眼光は、しっかりとフルトンの持つ2団体王者の称号を見据えていた。

取材・文●羽澄凜太郎(THE DIGEST編集部)

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