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格闘技・プロレス

敵陣営全員が井上尚弥戦に「反対した」。それでも王座戦を実現させたフルトンの心意気「日本でもやる価値がある」

THE DIGEST編集部

2023.03.07

フルトン(右)との大一番を実現させた井上(左)。その交渉は決して簡単なものではなかった。写真:田中研治

フルトン(右)との大一番を実現させた井上(左)。その交渉は決して簡単なものではなかった。写真:田中研治

 何よりファンにとって待望の一戦が実現した。3月6日に都内のホテルで記者会見を実施したボクシングの前世界バンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)は、5月7日に神奈川・横浜アリーナでWBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者スティーブン・フルトン(米国)に挑戦することを正式発表した。

 今年1月にスーパーバンタム級に階級を上げた井上。約1か月前にバンタム級で4本のベルトを手にしたばかりだったが、「自分の強さを追い求めていきたい、挑んでいきたいという気持ちがあるからこそスーパーバンタム級に上げていきたい。まずバンタム級でやっていくにはモチベーションが渋いかなというのがあった」と、新たな挑戦を選択した。

 もっとも、2団体を統べ、キャリアの最盛期にある王者とのマッチメイクは容易ではなかった。プロモートに携わった帝拳ジムの本田明彦会長は6日の会見後の取材で「向こう(フルトン陣営)のトレーナーは全員が反対した」と交渉の舞台裏を明かした。

 交渉が始まったのは、井上が4団体統一した昨年12月のポール・バトラー(英国)戦の翌日。すぐにフルトン陣営に連絡をしたところ今年2月24日に21年11月にタイトルマッチを行なったブランドン・フィゲロア(米国)と再戦する方向で話を進めていたという。
 
 コンディション面も考慮していたのだろう。それでも猛反対をしたトレーナーたちを押し切ったのは、6日の会見で「今までファンから『あいつとの対戦を避けている』とか『あの人から逃げている』とたくさん言われてきた。俺はそうでないことを証明するためにもイノウエとの対戦を熱望していた」と豪語したフルトン本人の意向だった。

 百戦錬磨の本田会長は、こう続けた。

「尚弥はアメリカ人も認めている選手。(敵地の)日本でもやる価値がある。交渉の前提で最初から日本でやるということだった。これだけの(日本人の)興行はできないですし、フルトンが勝てば、とてつもないことになる。メリットが大きいと判断したのではないだろうか」
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