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「ひとつのミスが命取りに」羽生結弦VSネイサン・チェンの頂上決戦! 海外メディアは4回転アクセルの可能性に言及

THE DIGEST編集部

2019.12.05

今季初対決がGPファイナルとなった羽生(左)とチェン(右)。 (C) Getty Images

 現地時間12月5日から7日まで、イタリアのトリノで開催されるグランプリ(GP)ファイナル。3年ぶり5度目の優勝を狙う羽生結弦(日本)はパラベラでの公式練習に参加している。

 五輪の公式メディアチャンネル『Olympic Channel』は、今回のGPファイナルは「今季、初めて事実上のチャンピオン対決が実現する」とし、男子シングルは羽生とチェンの一騎打ちの様相を見せていると伝えている。

「ふたりの"ヘビー級"フィギュアスケート選手にとってのこの大会は、来年3月、カナダのモントリオールで開催される世界選手権に向け、優位な立場を手にしたいと考えていることは間違いない。直接対決は日本の埼玉で3月に行なわれた世界選手権以来となる」

 そして、羽生についてはこのように評した。

「2017、2018年と続けて足首を負傷してGPファイナルを欠場した五輪チャンピオンはようやく、今年のNHK杯を健康に乗り切ることに成功した。2013年から2016年まで4回連続でこのコンペティションを制した羽生にとって、この大会で勝利することは強い意味を持つはず。なおかつ、フリーで披露するのは、2006年に同会場で行なわれたトリノ冬季五輪で金メダルを獲得した彼のアイドル、エフゲニー・プルシェンコへのオマージュでもある」

 一方、チェンについては「平昌冬季五輪の5位以の後は無敗の20歳。羽生が欠場した2018、19を制したのはチェンで、彼は3連続タイトル獲得を望んでいる」と紹介している。
 
 同メディアによれば、スコア上でもふたりはデッドヒートを繰り広げており、羽生は優勝したGPカナダ杯でSP109・60点、フリーで212・99点のシーズンベストを記録。チェンはフリー216・02点、総合で323・42点という世界記録をマークして世界選手権を制した。チェンの世界選手権での演技構成点は94・78点で、羽生の95・84点にあと一歩のところまで迫った。だが、SPの世界記録である110・53点は羽生が保持したままとなっている。

「ともにGPシリーズではフリーのプログラムに4回転ジャンプを含めており、この大会にむけてより磨きをかけていることは間違いない。羽生に、4回転アクセルを期待する声もあり、それが実現するかは分からない。だが、ひとつのミスが命取りになる」

 そしてこのふたりの戦いに割って入るのがGP中国杯で優勝したボーヤン・ジン(中国)、アレクサンドル・サマリンとドミトリー・アリエフ(ともにロシア)、ケビン・エイモズ(フランス)の4人だ。

 現地4日に行なわれた滑走抽選で羽生は、最終滑走の6番目を引き、チェンは4番滑走になることが決まった。男子SPは日本時間6日の5時10分にスタートする。

 羽生にとっては3大会ぶり、そして男女通じて史上最多となる5回目の優勝を目指す今大会。果たして、王者の座を手にするのは―――。

構成●THE DIGEST編集部