予期せぬアクシデントによって、大衆の関心を集める一戦は延期となった。去る3月6日に正式決定していた元ボクシング世界バンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)と、スーパーバンタム級WBC、WBO王者のスティーブン・フルトン(アメリカ)のビッグマッチだ。
今年1月にタイトルを返上した井上が「本当の最終章」と掲げて決まったマッチアップ、それもフルトンにとってはキャリア初の国外戦とあって、注目度は高まっていた。しかし、先月22日に井上がトレーニング中に拳を痛めたと発表。「今のままでは万全な状態でリングに上がる事が極めて困難」として、7月25日に対戦が延期されると発表していた。
試合まで時間はなかった。ゆえにこのメガマッチに焦点を当てて、緊張の糸を少しずつ張り詰めながらハードワークを重ねていたフルトンにとっても、延期は鵜呑みにはできなかったであろう。
しかし、予期せぬアクシデントにも依然として"王者"に隙は見られない。現地4月1日に公開された米ボクシング専門メディア『YSM Sports』の取材を受けたフルトンは、延期について何を想うかを問われると、「フッ」と白い歯を見せながら「普通さ。俺は何も思わない。それが率直な感想だね」と回答。そして、「次の試合はビッグマッチになると思うんだけど、プレッシャーはあるか?」と問われると、次のように淡々と語った。
「影響はないよ。何の感情もない。『無』さ。別に生意気なことを言うつもりはないんだけど、プレッシャーを受けたり、それで怒ったりする次元に俺はもういないんだ。別に経済的損失を被ったわけでもないしね」
キャリア21戦無敗の実績から来る自身がそう語らせるのか。達観した様子で井上戦を口にした28歳は、「少し気になるとすれば、ラマダンがすぐそこに迫っていることぐらいだ」と主張。それでも「ただ、ラマダンは選択の自由ではなく義務だ。さっきも飲まず食わずで8ラウンドのスパーしてきたところさ。俺は自分を戒めるんだ」と断言。やはり動揺した素振りは見せなかった。
終始、「動揺はない」と語ったフルトン。7月の来日がますます楽しみだ。
構成●THE DIGEST編集部
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試合まで時間はなかった。ゆえにこのメガマッチに焦点を当てて、緊張の糸を少しずつ張り詰めながらハードワークを重ねていたフルトンにとっても、延期は鵜呑みにはできなかったであろう。
しかし、予期せぬアクシデントにも依然として"王者"に隙は見られない。現地4月1日に公開された米ボクシング専門メディア『YSM Sports』の取材を受けたフルトンは、延期について何を想うかを問われると、「フッ」と白い歯を見せながら「普通さ。俺は何も思わない。それが率直な感想だね」と回答。そして、「次の試合はビッグマッチになると思うんだけど、プレッシャーはあるか?」と問われると、次のように淡々と語った。
「影響はないよ。何の感情もない。『無』さ。別に生意気なことを言うつもりはないんだけど、プレッシャーを受けたり、それで怒ったりする次元に俺はもういないんだ。別に経済的損失を被ったわけでもないしね」
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終始、「動揺はない」と語ったフルトン。7月の来日がますます楽しみだ。
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