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バレーボール

体罰撲滅キャンペーン中の日本バレーボール協会で、男子強化委員の体罰疑惑が発覚。協会が本格調査へ

北野正樹

2023.04.12

日本バレーボール協会の川合会長。写真:北野正樹

日本バレーボール協会の川合会長。写真:北野正樹

 日本バレーボール協会(JVA)の日本代表などの強化を担当する男子強化委員が、監督を務める大学の男子バレー部員に体罰を行っていた疑いがあり、JVAが12日までに調査を始めた。強化委員は12日午前、「ご迷惑をかけてはいけない」として、JVAに強化委員の辞職を申し入れたという。
 
 バレー関係者によると、体罰疑惑が表面化したのは、SNS上で【#○○○○○○(実名)大学#バレーボール部#体罰#拡散希望】とのタイトルで公開された映像がきっかけ。

 練習中のコートを観客席と思われる場所から撮影した映像では、監督と思われる男性が選手の首あたりに手をかけ暴行をしているような場面や、選手の首を押さえつけて別の選手の前まで連れて行き、選手同士をぶつけ合わせるようなシーン、選手の額を手で突きユニホームを引っ張ったり、セッターの頭を叩いたりする場面などが収められている。

 撮影時期は不明だが、男性や選手がマスクをしていることから、2020年のコロナ禍以降のものとみられる。

 JVAは映像が公開されたことを受け、強化委員が勤務する大学や所属する大学バレーボール連盟に報告を求めるなど、事実確認を進めている。

 バレー界では指導者による体罰や暴力事件が相次いで発覚。今年2月には千葉県内の名門と呼ばれる高校の男子バレー部の顧問が、選手の顔にボールをぶつけたり髪をつかんで引きずったりするなどの暴行容疑で千葉県警に逮捕されたほか、3月には全国大会出場経験もある山梨県の私立高校監督が部員の頬を平手打ちしていたことから解任された。また、約1週間前には神奈川県の県立高校女子バレー部で顧問による体罰情報があり、県教委が調査を始めている。

 後を絶たない暴力や体罰などに危機感を募らせたJVAの川合俊一会長は、3月16日の理事会後の記者会見で「いまだにこんな指導者がいるのかと、はらわたがにえくりかえる思い。体罰撲滅キャンペーンを立ち上げ、今月中に発表する」と明言。

「我々の競技はミスで得点が入るなど、ミスが起こりやすい競技。ミスを腹立たしいと思うから暴言を吐きやすくなる。指導者に人間力がなければ指導できない。人間力アップなど根本的な部分から徹底的に直していかなければならない」としたうえで、指導者の登録制度を見直しバレー界から追放するなど処分の厳格化も示唆している。

 3月24日に【指導と暴力の間に隠れた「未暴力」に目を向ける『暴力撤廃アクション』】を発表。電話(03-3502-8232)のほか、ホームページ内でメールでの相談や通報窓口も設けている。

取材・文=北野正樹

【著者プロフィール】
きたの・まさき/2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。関西運動記者クラブ会友。
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