モータースポーツ

アルファタウリの“一貫した”遅さの原因と改善の可能性は? 専門サイトが検証「アップグレードの質と量が一致するか」

THE DIGEST編集部

2023.04.25

アルファタウリは今季、マシンの改善がうまく進まず今のところ苦しい戦いを強いられている。(C) Getty Images

 F1第3戦のオーストラリア・グランプリ、アルファタウリは角田裕毅の力走もあって、他車のペナルティーによる繰り上げではあるが、ついに今季初のポイント獲得を成し遂げた。

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 とはいえ、今なお「AT04」のパフォーマンスはドライバーたちを満足させるものからは程遠く、多くのメディアからは今季最も遅い車という不名誉な評価を下されている。2021年にはアルピーヌらとコンストラクターズ・ランキング争いを展開して142点というチーム史上最高ポイントを獲得する躍進を果たすも、翌年は大幅なレギュレーション変更に対応できず、35ポイントでランキング9位に転落。そして迎えた今季も、やはり出遅れ感は否めない。

 英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、苦しむイタリア・ファエンツァのチームに注目し、その現状を「レッドブル・グループのあるひとつのチームは2023年のグリッドにおいて間違いなく最高の車を作り出したが、もうひとつは今、最下位とならないことを目標に戦っている」と表現している。

 同メディアによれば、トップを走るレッドブルを基準(100%)に、他チームの平均的なペースの遅れを示すと、アルファタウリは最下位の101.855%(9位は101.79%のアルファロメオ、8位は101.68%のウィリアムズ)。遅いという点で「残念なほどに一貫している」(同メディア)チームは、「角田裕毅に期待以上の成果を上げることを頼りにしている」状態だと指摘した。

 では、気になるAT04の問題点だが、「ブレーキの効きが悪く、アンダーステアに悩まされ、ストレートスピードも低い。そして、この最大の弱点は、昨季から持ち越されたものでもある」。アルファタウリは、オフの新車開発において、目標の一部を達成できなかったことを認めているが、それはフロアのパフォーマンス不足にあり、低速時の空力性能を上げることが最大の課題になっているという。

 チームのテクニカルディレクターであるジョディ・エッギントンは、「我々が現在行なっているのは、特に低速でのコーナー進入時における安定性を改善することだ。挙動の不安定さを引き起こしているのは、低速でリアの車高が上がった際の、リアの荷重不足にある。ここで安定性を向上させることで、ドライバーは出口でより強くプッシュすることができ、そこから力強いパフォーマンスが生まれる」と説明している。
 
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