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バレーボール

前理事の協会資金着服などで混乱が続いた大阪府バレー協会、新会長らが決定し新体制で組織刷新へ。着服の前理事は不起訴処分に

北野正樹

2023.04.27

中村光男・大阪府バレーボール協会会長。(芦屋大学HPより)

中村光男・大阪府バレーボール協会会長。(芦屋大学HPより)

 会計担当の前理事が協会資金2579万円を着服していた問題で会長らが辞職し、混乱が続いていた大阪府バレーボール協会(OVA)の新体制が27日までに決まった。

 今月中旬に開かれたOVAの理事会、代議員会で、会長に芦屋大学臨床教育学部特任教授の中村光男氏(67)が承認された。このほか副会長に守屋奉子(ママさん連盟)、浅川又一(高体連)、福嶋貞章(クラブ連)の各氏、理事長に梅須磨源博氏(ビーチ連盟)の就任も決まった。
 
 中村新会長は芦屋大学の地域連携推進室室長・教育相談所所長で、女子バレー部の顧問。芦屋大ホームページによると、大阪府立高校の元校長で保健体育科の教諭を25年務め、大阪府高体連バレーボール部専門部総務委員長、大阪高等学校体育連盟監事・近畿高等学校体育連盟監事などを歴任している。

 協会資金の着服問題でOVAは、川合俊一・日本バレーボール協会(JVA)会長の強い要望で昨年6月に記者会見を開いて事実を公表。着服した当時の理事についても、川合会長が記者会見で「(やっていることは)泥棒ですから、警察に突き出し罪はしっかりと償ってもらいたい。こんなことをやってもサラッと終われば、悪い前例になる」と、OVAに刑事告訴を強く促すなど、対応の悪さが指摘されていた。

 また、今年3月末の役員改選では、監督責任を問われる立場の会長、副会長が2人ともに続投する人事案をOVA内でまとめたが、バレー関係者らから批判の声が上がったため、会長、副会長、理事長が総辞職するなど、混乱が続いていた。

 中村新会長はかつてOVAの理事を務めたことはあるが、執行部の要職に就いたことはないことなどから、第三者的な立場でOVAの組織刷新を託されたとみられる。

 OVAの新体制が決まったことについて、川合会長は「健全な運営を行って、いい方向にいくことを願っています」と期待を寄せ、中村会長は「OVAに限らず、組織にはクリーンで透明性が求められる。いろいろな人の意見を聞きながら業務を進めていきたい」と話している。

 OVAが着服問題で第三者委員会を設けず、責任の所在や問題点を公表しないままにしていることについて、JVA関係者やOVA関係者に批判の声は未だに多く、新しい執行部には問題点を明らかにした上で信頼回復に向けた取り組みが求められる。

 また、OVA関係者によると、OVAが昨年8月23日、業務上横領罪で大阪府警に告訴した理事については、不起訴処分になったという。

取材・文●北野正樹

【著者プロフィール】
きたの・まさき/2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。関西運動記者クラブ会友。
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