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「ツノダは速い」角田裕毅にトスト代表から最大級の賛辞!一方でアルファタウリに今季加入のデ・フリースに試練

THE DIGEST編集部

2023.05.15

今季は2度の10位入賞を果たすなど、ここまで健闘を見せている角田。(C) Getty Images

 2023年F1世界選手権はここまで5戦を終え、アルファタウリの獲得ポイントは「2」。コンストラクターズ・ランキングで9位に止まっており、今後の巻き返しを狙っている。そのうえで、来週開催されるエミリア・ロマーニャ・グランプリを躍進への足掛かりとしたいところだ。

 ホームサーキットともいえるイモラ(アウトドローモ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリ)でのレースに向け、このファエンツァのチームはフロアに大幅なアップデートを施すことになっている。オランダのF1専門サイト『GRAND PRIX RADIO』によると、マシン・パフォーマンスの責任者であるギョーム・ドゥゾトゥは、ポジティブで楽観的な見方を示している。

「我々は、これが車(AT04)に装着されるのを楽しみにしている。大きな進歩に繋がるものと信じており、我々の期待に応えられることを願っている。これまでのところ、フロントウイングなどのアップグレードは良好だ。中団争いでは、それぞれのタイム差が1%以内と、互角であることが分かる。つまり、上手くいけば複数のチームを抜くことができる。それが目標だ」

 アゼルバイジャンGPではハイスピードコースと空力面のアップデートがフィットし、予選では角田裕毅が今季最高の8番手(ソフトタイヤを使い切ったことでスプリント・シュートアウトQ3進出の権利を失ったが……)に入るなど、効果を示した。イモラでのアップデートにも期待が高まるが、結果を出すにはドライバーのパフォーマンスも不可欠となる。

 今季、ここまで2度の10位入賞、そしてポイント圏内に肉迫しての11位と大健闘を見せている角田。昨季まで欠けている点と指摘されていた一貫性を身につけ、さらに安定したドライビングと的確なレース運びにより、性能の劣るAT04から十二分に力を引き出してポジティブな結果を出している。そんな角田について、英国のモータースポーツ専門サイト『MOTORSPORT WEEK』は「ツノダに強力なパッケージがあれば、ここまでの結果以上のものを、確実に彼やアルファタウリにもたらすだろう」と指摘しているほどだ。
 
 イモラといえば、角田にとっては「自宅から通えるコース」と本人が語っており、テスト走行を含めれば、ここまでF1マシンでは最も多くの走行を重ねた勝手知ったるコースである。また、昨季は後続からのプレッシャーを耐え続けながら順位を守り、その後のチャンスで鋭いオーバーテイクを連続して披露し、シーズン最高の7位入賞を飾ったバクー同様に相性の良い地でもある。

 角田はオランダのF1専門サイト『RN365』に「次は大幅なアップデートを導入することになるので、それが上手くいけばと思います」と語っており、フランツ・トスト代表も「彼は速い。過去2年間もファンタスティックな仕事を果たしてきた。ツノダは良いペースにある」と高く評価し、さらなる躍進に期待を寄せている。

 なお、以前に彼は角田の去就について「2025年にはレッドブル昇格に向けて準備が整うだろう」と展望して話題になったが、今回は「彼に良い言葉は必要ない。もしこの調子を維持し、レース毎に成長して良いパフォーマンスを発揮すれば、レッドブルは彼の昇格について話し合うだろう。どうなるかを見守ろう」と語り、「明らかに、彼にはもう1年必要だ」と付け加えた。
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かたや今季チームに加わったデ・フリースは苦戦