一方、去就ということでは、今季よりアルファタウリに加わったニック・デ・フリースにもスポットライトが当てられている。ここまで５戦、また昨季にウィリアムズからのスポット参戦でいきなり９位入賞を飾った１戦を加えても、まだ６レースを終えたばかりだが、フルタイムのドライバーとして迎えたデビューシーズンはここまで苦戦。ローガン・サージェント（ウィリアムズ）と並んでここまでノーポイントに終わっており、即戦力として迎え入れたチーム（レッドブル・グループ）の期待には応えられていない状況だ。

　F１での実戦経験の乏しさ、与えられた車のコントロールがとりわけ難しいとされるAT04だったという点は考慮されるべきだが、先日、今季レッドブルのリザーブドライバーを務めるダニエル・リカルドがシートフィッティングを行なったことで、早くもドライバー交代がなされるとの噂が上がった。

　しかし、自動車専門サイト『CAR AND DRIVER』によると、レッドブルのヘルムート・マルコ顧問はこれを否定しながらも、オランダ人ドライバーが試練を迎えている事実を次のように明らかにしている。

「今後３レースでは、何も起こらないだろう。我々はニックと話したが、彼も同じ意見だ。彼は改善する必要がある。ここまで素晴らしい仕事をしているチームメイトのツノダとの、開きすぎている差を縮めなければならない。まだレッドカードは出していない。改善さえすれば、ドライバー交代の可能性はなくなるだろう」

「もしドライバー交代が必要な場合、リカルドではなく、若いドライバーチーム（レッドブル・ジュニアチーム）に頼ることになる。そこでは、リアム・ローソン（今季は日本のスーパーフォーミュラに参戦して開幕戦優勝）とアユム・イワサ（２年目となるフォーミュラ２で今季２勝）が候補になる可能性がある」
  　英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、多くのジュニアドライバーを擁しながらも、ライバルであるメルセデスとの関係が深かったデ・フリースの起用を敢行した点にも言及。また、「いま彼を降ろすことは、彼を雇うことと同じぐらい非合理的だろう」と指摘し、チームが「契約時に彼に期待したものを、彼が実際にできると証明する機会を適切に与えるはずだ」と予想した。

　このように、チーム、各ドライバーともに様々な事情を抱えながら迎えるホームグランプリ。総じて見れば出遅れた感は否めない彼らが、ここから流れに変化の兆しを示せるのか、非常に興味深い。

構成●THE DIGEST編集部

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