バレーボール

石川祐希が高橋藍らに「甘すぎるスパイク」を指摘! イランに主導権を握られたとき、日本に何が起きていた?【男子バレーVNL】

永野祐吏(THE DIGEST編集部)

2023.06.07

俯瞰的に試合を見た石川(左)は、高橋藍(右)に問題点を指摘した。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

 6月6日、アジア最大のライバルであるイランと激突した龍神NIPPON。『ネーションズリーグ(VNL)』の開幕戦でいきなり大一番を迎えたものの、日本代表は25-16、25-22、25-19とあっさりストレート勝ちを収めた。

 この結果だけを聞けば、日本が圧倒したようにも思えるが、第2セットは相手ブロックに阻まれ、10-14と4点リードを許す局面があったのだ。第1セットは多彩な攻撃を見せるなどゲームを支配していた日本に一体何があったのか。

PHOTO】バレーボールネーションズリーグ2023男子日本代表、龍神NIPPONのキャプテン・石川祐希を特集!

「日本チームは攻撃展開が速い。そのためラリーが続くと、助走がとれずにジャンプが低くなる。それでも同じコースに打ちにいっていたため、打点が低くなりブロックにかかるというケースが多かった」と強引に打ちにいったことが過ちであったと、試合後に石川祐希が説明した。

 同じコート内にいながらも俯瞰的に見ていたキャプテンは、アタッカーである西田有志、高橋藍に「無理に打ちにいったらやられるよ」とすぐさま助言したという。これに「ブロックに対し甘すぎるスパイク」だと認識した高橋藍は軌道修正を図った。
 
 高橋藍のスパイク、さらにツーでのバックアタックといった連続ポイントを挙げたことで、再び流れを引き寄せた日本。その勢いのまま試合を終わらせた。スパイク面でやや課題を残すことになった高橋藍だが、ゲームの出だし3連続ポイントは、彼の好レシーブがあってこそ生まれたプレーであり、日本に良いリズムをもたらした立役者でもある。

 21歳のアウトサイドヒッターは、「バックロー(後衛)からのスタートだったので、ディフェンスが重要になると思っていました。最初の2本を上げて、ブレイクを取っていけたところは、すごく良いスタートになった」と振り返り、自信を深めた様子だ。

 この試合、両チーム最多20得点を挙げたのは石川だった。言動と背中で引っ張る主将は、「地元・愛知でプレーできることもなかなかないので、このような試合が出来て嬉しい。金、土、日はもっと良い試合を見せられるように戦いたい」と日本で開催される残りの試合での活躍を誓った。

取材・文●永野祐吏(THE DIGEST編集部)

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