2024年パリ五輪に向け、本格的なスタートとなったバレーボールのネーションズリーグ（VNL）で、4連勝を飾った男子日本代表。OH高橋藍の言葉と表情は、自信に満ち溢れていた。

「守りはもちろん強みとして持っているので継続してレベルアップをして、日本代表の中でもう一人のエースとして、軸として期待されているところは、イタリアのシーズンで作り上げることが出来ました」
　大会前の記者会見などで、高橋は2年間のイタリア・セリエA、パドバでの成果を強調した。
  　日体大在学中の一昨年から、日本代表の主将、石川祐希もプレーするイタリアのセリエAでプレー。途中参加の1年目は、守りを買われリベロで起用されることもあったが、2年目の昨季は主軸として1年間、フルに戦った。開幕から2戦連続を含む3度のMVPに輝くなど主力として活躍した。

「シーズンを通して戦いたい思いがありました。練習でも世界の高さを経験することは出来ますが、試合の中でしか経験できないことがあります。（チームの）軸として常に存在し、大事な場面で頼られ、トスが上がってくることが多くありました。メンタル面でも安定し、そこで1点をしっかりと取れる選手としてワンステップも、ツーステップも成長するいい経験が出来ました。工夫した点の取り方が出来るようになり、引き出しが増えました」と胸を張る。

　実戦の中で身に着けたのは、高さへの対応だ。
「ブロックが２枚揃っても、いい打ち方が出来たので高さに苦しめられることはありませんでした。ブロックを最後までしっかりと見て打てましたし、ブロックが完成する前にかなり早打ちをして、ブロックに当たっても相手コートに飛んで行ってくれました。イタリアでやって来て、世界の高さに慣れました」と振り返ったのは、スパイクで石川と並びチームトップの12得点を挙げた3戦目のブルガリア戦。

　この試合、高橋は13本のスパイクを打ち、ミスや被ブロックはゼロ。イタリアで増やした〝引き出し〟の多さを日本のファンに見せつけた。

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