バレーボール

「ファンタスティックな独壇場!」米国撃破の立役者、21歳・和田由紀子の強打に海外驚愕!「ワダの祭典!!」【女子バレーVNL】

佳子S.バディアーリ

2023.06.19

アメリカ戦で大爆発を見せた和田。海外メディアも絶賛した。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

 現地6月17日、ブラジル・ブラジリアで開催中の国際バレーボール連盟(FIVB)が主催する女子の『ネーションズリーグ(VNL)』予選ラウンド2週目で、プール4の最終戦が行なわれ、世界ランク7位の日本代表は、同2位の米国と対戦。セットカウント3-2(23-25、25-23、25-19、23-25、15-6)で逆転勝利を収め、通算成績2勝20敗だった強豪国から大金星を挙げた。
 
 7試合を終えて現在4勝3敗の日本は、前日の第3戦で世界ランク下位のドイツにフルセットで敗れ、予選R7位へ後退。大国に挑む先発陣は、これまでと顔ぶれを変更し、主将のOH古賀紗理那、ミドルブローカー(MB)の荒木彩花、山田二千華とリベロの西村弥菜美をそのまま残し、ここまでの7試合で先発を務めてきたOH林琴奈と井上愛里沙に替えて、石川真佑と和田由紀子、セッターも関菜々巳をベンチに留め柴田真果を起用した。

 一方、6戦全勝中の米国は、ブラジルとの大一番を翌日に控え、司令塔マイカ・ハンコックとアウトサイドヒッター(OH)のジョーダン・トンプソンら、一部先発メンバーを温存。1週目で全試合に先発出場したオポジットのアンドレア・ドルースは、2週目の登録から外れた。

 第1セット、開始から僅差で追う日本は、対応力に長けた石川の攻撃に和田が強打で加勢し、相手の背中を捉えたまま終盤へ。古賀の攻撃で2度リードを奪うなど、勢いを増す日本を警戒した米国は、ハンコックとトンプソンを投入して逃げ切りを図る。粘り続けた日本だったが、22‐22から被ブロック2本で辛くもセットを譲り渡した。

 第2セットは、古賀のサーブで序盤に2点のリードを奪うも、相手の高さが立ちはだかり再び大接戦へ。13-13で早くも米国が1セット目と同様の2選手を送り込み決着を急ぐ。そこで攻撃の要となったのが初先発の和田。まずは、2連続得点で日本を勢いに乗せると、運も味方する。プッシュがネットを越えなかったと米国が主張するが、ビデオ判定の要求がプレー後と判断した審判が却下。中断を意に介さずブロックを決めてリードを2点に広げ、サーブで山田のブロックを引き出してセットポイントを呼び込む。やや攻め急ぎミスが出た日本だったが、山田のブロード攻撃で4度目のチャンスをものにして試合を振り出しに戻した。

 第3セットでも勢いが止まらない和田は、ブロックを皮切りに序盤から3得点。石川のエースに加え、ミドルを上手く絡めた柴田のトスワークで、日本がさらに調子を上げると、米国が早々に2枚替え。それでも、6本に上ったサーブミスが足かせとなり反撃の糸口を見出せない。以降も、余裕さえうかがえる和田の多彩な攻撃が強豪国を翻弄し、最後は石川がブロックを決めてセットを連取した。
 
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