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「追い抜きはあまり期待できない」角田裕毅、オーストリアGPに慎重な姿勢… ステップアップへ物足りなさ指摘する声を払拭できるか

THE DIGEST編集部

2023.06.23

今季善戦を見せている角田だが、まだ物足りなさを指摘する声も。次戦以降でそれらを払拭できるか。(C) Getty Images

 F1第9戦のカナダ・グランプリを14位で終えたアルファタウリの角田裕毅。19番グリッドからのスタートで、1周目にタイヤ交換を行なうという奇策で順位を大きく上げてポイント獲得に大きく前進するも、その後はDRSトレインに引っかかり、2ストップへの変更が作業ミスもあって裏目に出るなど、内外要因もあって今季3度目の入賞を逃した。
 
 この週末は思い切った戦略が当たって予選、決勝ともに躍動したアレクサンダー・アルボンが7位入賞で6ポイントを獲得したことで、アルファタウリ(通算2点)はウィリアムズに5点差をつけられてコンストラクターズランキングの最下位に転落。この不名誉な状況を抜け出すためにも、今週末に行なわれるオーストリアGPでは結果を残したいところだが、角田は新たなレースウィークエンドの厳しさを指摘する。

『F1 Nation』のポッドキャストに出演した彼は、姉妹チームであるレッドブルのホームレースとなる次戦に言及。第4戦アゼルバイジャンGP以来今季2度目となるスプリント導入の週末について、「なかなかハードです。予選で良い結果を出す必要があるし、さらにスプリントではポイントが8位までしか獲得できないため、予選(シュートアウト)では少なくとも9番手あたりには入る必要があります」と語っている。

 また、レースについても「あのコースで追い抜きを見せることは少しばかり難しいことだと思うので、あまり期待はできません。間違いなく良い車が必要になりますが、我々の車があのコースに適しているか、正直なところ分かりません」と慎重な姿勢を崩さなかったが、「幾つかアップデートも持ち込むので、現時点でダメだという理由はないでしょう。何か起こるかはやってみなければ分かりません」と諦めない姿勢も強調した。

 ここまでの8戦でポイントを獲得したのはオーストラリアGPとアゼルバイジャンGPの2回だけの角田だが、モナコGPとスペインGPでは9番手を長く維持しながらブレーキトラブルや不運なペナルティーで順位を落とし、その他のレースでもポイント圏内に肉迫。非力なAT04を駆っての結果としては十分に評価できるものであり、今季はレースごとに各方面から賛辞を贈られている。

 前述のアルボンは開幕戦バーレーンGPでストレートスピードの強みを活かして最終的にわずか1秒の差で10位の座を守り抜いて角田のポイント獲得を阻んだ張本人だが、2年前には自ら指導役を務めるなど良い関係にある日本人ドライバーを高く評価しており、カナダGPの後に自チームがアルファタウリをチャンピオンシップで逆転したことを喜びながらも、「しかし、もしユウキが毎レース11位でフィニッシュするとしたら、それはとても気の毒に思う」と気遣ったほどだ(英国の専門サイト『MOTORSPORT WEEK』より)。
 
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