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バレーボール

日本女子バレー、VNL2大会連続8強も「もっと戦える」の声は根強く… 進化へ求められる創造力、海外経験、エースの覚醒

THE DIGEST編集部

2023.07.21

火の鳥NIPPONを引っ張るエースの古賀。五輪予選での爆発に期待だ。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

火の鳥NIPPONを引っ張るエースの古賀。五輪予選での爆発に期待だ。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

 女子バレーのネーションズリーグが16日(日本時間17日)に閉幕した。トルコが初優勝を果たし、準優勝は中国。以下ポーランド、アメリカと続く。ベスト4進出を目指した女子バレー日本代表は、準々決勝でアメリカに敗れベスト8の壁を破ることはできなかった。
 
 2大会連続でのベスト8。決して悪い結果ではないのだが、日本国内での盛り上がりは快進撃が続く男子に押され気味だ。これまでは女子バレーが人気、実力でリードする中、男子バレーが後塵を拝してきたことを考慮すれば、そもそも比べるものではないと理解しているが、やはり日本バレーと言えば女子バレーのレシーブ力や長く続くラリーを制する粘り強さに期待する人たちが多いのも事実で、だからこそ「もっと戦えるのではないか」という声も根強い。

 大会を振り返れば、荒木彩花や和田由紀子、西村弥菜美といった新戦力も次々台頭した。だがこれまでは4年に一度の世界選手権やワールドカップで、古くは2003年のメグカナ(栗原恵、大山加奈)フィーバー、28年ぶりの銅メダルを獲得した12年のロンドン・オリンピックの前々年の世界選手権では江畑幸子、前年のワールドカップでは新鍋理沙といったスター選手が誕生してきたこともあり、バレーボールファンには馴染みの存在でも世間ではまだまだ知名度が低いのも否めない。木村沙織や狩野舞子などいわゆるロンドン組と呼ばれるOGたちのほうが現在もネットニュースに取り上げられる機会も多く、話題性で勝るのも事実だ。

 なぜそのような状況が生じているのか。アンダーカテゴリーと呼ばれる中学生、高校生、大学生など学生年代を見渡しても、将来性に長けた選手がいないわけではない。だが才能あふれる選手が集まるチームが偏り、そのままVリーグへとつながっていくためアンダーカテゴリー日本代表で活躍した選手が集まるチームも出てくる。そうなれば学生時代には大型選手、スター候補として期待を集めた選手もなかなか出場機会を得られない。

 さらに学生時代から日本一を目標にしてきた選手ほど勝利至上主義の中で育った弊害もある。勝つためにはこれをやればいい、と指導者から与えられたメニューに取り組むばかりで創造性がない。1人のアスリートとして、いかに自分を知ってもらえるか。自分をアピールできるかという面で重要なプロデュース力も高いわけではなく、SNSの発信も積極的な男子日本代表と比べれば女子日本代表選手は控えめだ。実際にネーションズリーグ中に発信された記事の中でも、指揮を執る眞鍋政義監督が「もっと選手たちに考えて動けるようになってほしい」と口にしていることが示されている。次はどんな技を見せるのかとワクワクさせた木村沙織のような選手が出てくる。その環境自体が整っていないのが現状でもあると言えるのではないだろうか。
 
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