最古の世界記録が、ついに破られた。
水泳の世界一決定戦「世界水泳」は7月23日から競泳が開幕。水の超人たちのパフォーマンスが、早くも初日からエンジン全開だ。
なかでも、男子400メートル個人メドレー決勝では驚異のワールドレコードが樹立された。フランスの21歳、レオン・マルシャンが世界新記録の4分2秒50を叩き出し、前回大会に続き連覇を達成。「水の怪物」と称されたマイケル・フェルプス(米国)が2008年北京五輪でマークした4分3秒84を15年ぶりに塗り替える快泳だった。
新鋭の異次元な泳ぎは、会場のマリンメッセ福岡を熱狂の渦に巻き込んだ。と同時に、母国メディアもニューヒーローに喝采を送っている。スポーツ専門メディア『Sportricolore』は、マルシャンが世界記録ラインを半分以上も上回った平泳ぎ以降のレース映像を引用しながら「今日はこれ以上美しいものは見られないだろう。レオン・マルシャンがマイケル・フェルプスの旧記録(4分3秒84)に対して、4分2秒50の新記録保持者になった」と金星の絵文字を添えて称えた。
同じく福岡で取材をしているフランスのニュースメディア『Le Media Positif』のセバスチャン・ブエ氏は新旧世界王者のツーショットを激写。「アメリカのレジェンドスイマー(マイケル・フェルプス)は、日曜日に開催された400メートル個人メドレーで世界記録を破った若手フランス人(レオン・マルシャン)を祝福した!」と賛辞を送っている。
前回大会で個人メドレー2冠に輝いたマルシャンは、父親が世界水泳のメダリスト、母親がフランス代表の元五輪スイマーという水泳一家で育ったこともあり、少なからず注目を浴びた。そして、今回樹立した異次元の記録に、あらためて世界中が驚愕。2つ隣のレーンで泳ぎ、銅メダルを獲得した瀬戸大也は「あれは見えない。速すぎる」と脱帽。日本のコーチ陣も「レオンはすごい」と警戒を払っていた。
レース後のミックスゾーンや記者会見ではフランスメディアを中心に海外メディアから質問が殺到。21歳の新怪物は「何と言ったらいいのか分かりませんが、とても嬉しいです」と振り返りつつ、「あれは正気の沙汰ではなかった。ここで達成できたのは素晴らしかったし、タイムもクレイジーだった」と自分の泳ぎを自画自賛したが、「最高のものは、まだ来ていない」と答え、底知れないポテンシャルを窺わせている。
来年、母国で開催されるパリ五輪では、いったいどこまで進化するのか。新怪物に興味は尽きない。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
【動画】最古の世界記録を破った仏の新鋭マルシャン!
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水泳の世界一決定戦「世界水泳」は7月23日から競泳が開幕。水の超人たちのパフォーマンスが、早くも初日からエンジン全開だ。
なかでも、男子400メートル個人メドレー決勝では驚異のワールドレコードが樹立された。フランスの21歳、レオン・マルシャンが世界新記録の4分2秒50を叩き出し、前回大会に続き連覇を達成。「水の怪物」と称されたマイケル・フェルプス(米国)が2008年北京五輪でマークした4分3秒84を15年ぶりに塗り替える快泳だった。
新鋭の異次元な泳ぎは、会場のマリンメッセ福岡を熱狂の渦に巻き込んだ。と同時に、母国メディアもニューヒーローに喝采を送っている。スポーツ専門メディア『Sportricolore』は、マルシャンが世界記録ラインを半分以上も上回った平泳ぎ以降のレース映像を引用しながら「今日はこれ以上美しいものは見られないだろう。レオン・マルシャンがマイケル・フェルプスの旧記録(4分3秒84)に対して、4分2秒50の新記録保持者になった」と金星の絵文字を添えて称えた。
同じく福岡で取材をしているフランスのニュースメディア『Le Media Positif』のセバスチャン・ブエ氏は新旧世界王者のツーショットを激写。「アメリカのレジェンドスイマー(マイケル・フェルプス)は、日曜日に開催された400メートル個人メドレーで世界記録を破った若手フランス人(レオン・マルシャン)を祝福した!」と賛辞を送っている。
前回大会で個人メドレー2冠に輝いたマルシャンは、父親が世界水泳のメダリスト、母親がフランス代表の元五輪スイマーという水泳一家で育ったこともあり、少なからず注目を浴びた。そして、今回樹立した異次元の記録に、あらためて世界中が驚愕。2つ隣のレーンで泳ぎ、銅メダルを獲得した瀬戸大也は「あれは見えない。速すぎる」と脱帽。日本のコーチ陣も「レオンはすごい」と警戒を払っていた。
レース後のミックスゾーンや記者会見ではフランスメディアを中心に海外メディアから質問が殺到。21歳の新怪物は「何と言ったらいいのか分かりませんが、とても嬉しいです」と振り返りつつ、「あれは正気の沙汰ではなかった。ここで達成できたのは素晴らしかったし、タイムもクレイジーだった」と自分の泳ぎを自画自賛したが、「最高のものは、まだ来ていない」と答え、底知れないポテンシャルを窺わせている。
来年、母国で開催されるパリ五輪では、いったいどこまで進化するのか。新怪物に興味は尽きない。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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