F１第11戦のハンガリー・グランプリの決勝、17番グリッドからスタートしたアルファタウリの角田裕毅は15位でレースを終えている。

　この週末は、チームメイトがニック・デ・フリースからダニエル・リカルドに交代したことで、このイタリア・チームには多くの注目が集まり、新たなチーム内対決にも関心が寄せられたが、結果は予選、決勝ともに角田が後塵を拝することとなった。

【画像】2023年シーズンを戦うＦ１全チームの新車を一挙紹介！ 　決勝では、スタート直後の混乱をうまく避けて11番手まで浮上し、久々のポイント獲得の期待を寄せられたが、ピットストップのミスや戦略がはまらなかったことでチャンスを活かせず、オープニングラップのアクシデントで最後尾まで下がりながら、その後に上手くリカバーしたリカルドに再度先行を許したままチェッカーフラッグを受けている。

　当然と言うべきか、各国の専門メディアも、角田を評価する上ではリカルドを比較対象とするところが多く、この日本人ドライバーに対する10点満点の採点は及第点以下がほとんどではあったが、一方で不運な面もあったことから、比較的ポジティブな見解も見受けられた。イギリスのモータースポーツ専門サイト『PLANETF1.com』の採点は「６」で、寸評は以下の通りに綴られている。

「（リカルド復帰で）自分の力を証明したいと考えていた中、予選のパフォーマンスが圧倒的なものではなかったため、日曜日は角田にとってより厳しい課題を突き付けられるものとなった。決勝では、リカルドがミディアムタイヤでのスティントを延ばしたことが奏功したのに対し、角田はソフトでスタートしたことで、すぐにピットインする必要に迫られた。15位でのフィニッシュは、彼にとって最大限の対処だった」

　同じくイギリスの『CRASH』は、「リカルドが復帰初戦だったことを考えると、彼にパフォーマンスで上回られてしまった角田に言い訳は許されない。今回のような週末を今後避けられないようだと、2024年に彼の姿はグリッドから消えているかもしれない」と厳しい論調で、採点は「５」止まりだった。

　同採点の『MOTORSPORT WEEK』は、「デ・フリースを打ち負かし続けた角田が、新たなチームメイトであるリカルドに予選で敗れたことにより、今季最初の本格的な“テスト”に失敗した。それでも決勝では、レースをしっかりまとめ上げていたが、痛ましいほど遅いピット作業により、序盤のゲインが全て台無しとなってしまった」と、チームに足を引っ張られた状況に同情を示している。