格闘技・プロレス

堂々たる打撃戦も展開した“柔術家”サトシだが… アメリカ・メジャー戦線のトップクラスに見せつけられた差【超RIZIN.2】

橋本宗洋

2023.07.30

打撃戦も臆せず展開してみせたサトシ。しかしアメリカのメジャー戦線トップクラスに実力を見せつけられた。写真:鈴木颯太朗

 なんとも不穏な空気の中で、ホベルト・サトシ・ソウザは戦場に向かった。

 7月30日の『超RIZIN.2』(さいたまスーパーアリーナ)。RIZINライト級チャンピオンのサトシだが、出場したのはRIZINの試合ではなかった。この日はアメリカのメジャー団体ベラトールのケージマッチと2部制の大会。サトシは欠場となったAJ・マッキーの代打として、急遽ベラトールのライト級GPにエントリー。元王者のパトリッキー・ピットブル(ブラジル)と対戦した。

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 一つ前の試合は、堀口恭司vs神龍誠のベラトール・フライ級初代王座決定戦。日本人同士がアメリカのメジャータイトルをかけて闘う一戦は大きな注目を浴びたが、堀口の指が神龍の眼に入るアクシデントにより無効試合に。ベラトールパートのメインとなるサトシの試合には、さらに期待がかかることとなった。

 柔術家であるサトシの持ち味は寝技。絞め、関節技での圧倒的な"極め力"にある。一方のパトリッキーはストライカー。サトシとしては、まずスタンドで相手を崩して組み付く必要がある。世界レベルの試合になると、ただタックルにいくだけではテイクダウンは難しい。

 圧力をかけてくるパトリッキーに対し、サトシは足を使って距離を取る。そこからローキック、さらにジャブ。堂々と打撃戦を展開してみせた。

 しかし、そこからグラウンドに持ち込むことができない。タックルは切られ、下になる形でグラウンドになっても、パトリッキーはすぐに立ち上がる。何発かパウンドは放つものの、寝技には付き合わない作戦だ。

 サトシは飛びヒザ蹴りも見せたが、パトリッキーも返す。「飛びヒザはこっちの専売特許だからね」とパトリッキー。サトシの試合ぶりについて「冷静で賢い試合をしていたと思う。でも2ラウンドには変わっていたけどね」とコメントしている。確かに、タックルを切られるたびに試合のペースはパトリッキーに傾いていった。スタンドでの勝負になれば、やはりパトリッキーが有利だ。

 2ラウンド終盤、パトリッキーが飛びヒザでサトシをダウンさせる場面も。そして3ラウンド、カーフキックで倒れたサトシに追撃のパウンドを浴びせたところでレフェリーが試合を止めた。
 
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朝倉未来への感謝を口にしたパトリッキー

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