F１は第13戦ベルギー・グランプリを終えた後、約１か月間のサマーブレイクに入っているが、この間を利用して各国のメディアはここまでのシーズンを振り返り、ドライバーに対しても現時点での評価を下している。

　アルファタウリの角田裕毅は今季、F１での３年目を迎え、対外的な戦いはもちろん、新たな同僚となったニック・デ・フリースとのチーム内対決での勝利を求められるなど、まさに正念場を迎えたが、性能の劣る「AT04」から最大限の力を引き出して、開幕戦からポイント圏内に肉迫して、オーストラリア、アゼルバイジャンではついに連続して10位に入賞した。
  　その後も持てる力を出し尽くしながらも、不運やライバルの改善などでポイントを積み重ねることはできず、ハンガリーGPでは成績不振のデ・フリースに代わってシートを得たベテランのダニエル・リカルドに、戦略上のミスなどがあったとはいえ、いきなり後塵を拝したことで立場が危うくなりかけたものの、ベルギーでは予選、決勝で好パフォーマンスを発揮して久々のポイントをチームに持ち帰り、再びその評価を高めたのだった。

　オランダのF１専門サイト『RN365』は、前半戦の角田を振り返り、「角田の、アルファタウリの“チームリーダー”としてのシーズンのスタートは、印象的なものとなった。バーレーンとサウジアラビアでポイントに近づいた後、この燃えるような日本人ドライバーは、メルボルンでの狂気のリスタートを経て、ついに報われた」と綴った後、以下のように続けている。

「スペインでは、ジョウ・グアンユ（アルファロメオ）と接触した後に物議を醸した５秒のペナルティーにより、獲得に値するポイントを奪われた。そして、オーストリア、シルバーストン、ハンガリーでの難しいレースにもかかわらず、彼はベルギーでの特殊な状況に上手く対処し、サマーブレイクに先立って、ポイントフィニッシュを果たした」

「角田にとって、水面下での経営陣の交代に加え、カナダGP後に親しいチームスタッフのひとり（コミュニケーション・デジタル・プロデューサーのジョシュ・クロース）が去ったこともあり、容易な状況ではなかった。しかし、彼はF１で３シーズンを迎えたことで期待されている、リーダーの資質を示した」