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「日本の陸上競技史に残る異例のダブル!」2大会連続100mファイナリスト、サニブラウンを海外記者が激賞!将来の世界トップスプリンターに推薦も【世界陸上】

THE DIGEST編集部

2023.08.23

日本人初となる2大会連続の決勝進出をやってのけたサニブラウン。自己最高の6位でフィニッシュした。(C)Getty Images

 日本の短距離界の歴史を塗り替えたスプリンターに、ひそかな関心が注がれている。

 去る8月20日(現地時間)、世界陸上の男子100メートル決勝が行なわれた。人類最速の男は、前回大会の200メートル王者で今季世界最高となる9秒83(無風)で優勝したノア・ライルズ(米国)。この種目で初めて頂点を掴んだ。一方、日本人初の2大会連続で決勝に駒を進めたサニブラウン・アブデル ハキーム(東レ)は10秒04で6位入賞。日本人過去最高記録を更新した。

 世界のトップ8人しか立つことができないスタート位置に、日本人が再びついた。メンバーには200メートルの絶対王者をはじめ、2019年ドーハ大会王者のクリスチャン・コールマン(米国)、準決勝で前回王者フレッド・カーリー(米国)を抑えて先着したオブリク・セビル(ジャマイカ)など強敵がいるなか、24歳は臆することなく堂々と最後まで走り切った。

 だがレース直後には、「マジで悔しいですね」とメダルを掴めなかった悔しさがこみ上げた。前回大会からひとつ順位を上げる進化を証明したが、「まったく満足してないです」と24歳は唇を噛んだ。「他の選手たちはここ(決勝)で、もう一段階ギアを上げてくるので、それができないと勝てないなと身に染みて感じました」と語り、今後への課題を口にする頼もしさが漂った。

 歴史に名を刻んだ日本人スプリンターの結果には、海外記者らも興味を引いたようだ。

 老舗スポーツ誌『Sports Illustrated』の元編集長で、多くのスポーツ著書を執筆しているスンディープ・ミスラ氏は「100メートルのファイナリスト8名のうち2名が自己ベストを、2名がシーズンベスト記録を達成した。当然、決勝戦はとんでもない戦いだった」と自身のXに投稿。興奮を隠せなかった。

 続けて、「ライルズ、コールマン、ザーネル・ヒューズ(英国)。そして、日本のアブデル ハキーム・サニブラウンに今後注目してください」と目が離せない世界のトップスプリンターの中に、日本の若武者を激推しした。
 
 他にも、オランダのスポーツ記者ハンス・バモス氏は「日本の陸上競技史に残る異例のダブルだ!」と激賞。「昨年日本人として初めて100メートル決勝に進出したが、2023年の世界陸上でも、再びファイナル進出を果たした」と快挙を称えた。

 また、陸上競技を中心に40年間スポーツ取材を続けているベテランフリージャーナリストのラジャラマン氏は、準決勝のレースに注目。「サニブラウンは9秒97(日本歴代2位)の自己ベストタイムで2位となり、ケニアのオムルワを3位に追いやった」と記し、そのポテンシャルを高く評価。今後のさらなる成長に期待していた。

 来年のパリ五輪を占う意味でも、大きな収穫を得たサニブラウン。日本の短距離界を牽引する若きスプリンターの進化は止まる気配がない。

構成●THE DIGEST編集部

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