悔しさが滲む判定決着も米メディアは賛辞を惜しまない。

　９月18日、プロボクシング転向２戦目を迎えた東洋太平洋スーパーバンタム級８位・那須川天心（帝拳）は、東京・有明アリーナで行なわれたメキシコバンタム級王者ルイス・グスマンとの123ポンド（55.79キロ以下）契約８回戦に3-0で判定勝ち。４月の転向初戦に続いてKO決着を逃したが、これでデビュー２連勝を飾っている。

  　初回の開始１分でグスマンの顎に左ストレートをクリーンヒットさせ、いきなりダウンを奪った那須川。７回にも連打で２つ目のダウンを奪うなど、終始主導権を握り続けていた“神童”の戦いぶりを受け、米ボクシング専門メディア『Boxing Scene』は試合後、「テンシン・ナスカワがプロボクシングで成長を続けている」と結果を伝えた。

　完勝ながらも判定決着となった点については、「ショーの最後を締めくくる機会があるように見えたが、代わりに観客の前でプレーすることを選んだ」と表現。「左ストレートが終始効果的だったナスカワは、無駄なパンチを繰り出すことがなかった」と高評価し、「ラウンド間の助言が３回のナスカワに火をつけた」とも綴っている。

　さらに、「デビューから間もないとはいえ、あまりに熟練していた」と続けると、記事の終盤では、「彼のチームが来年、どれだけ野心的になるかは未知数だ」と指摘。その上で元世界５階級王者フロイド・メイウェザーに敗れた2018年大晦日のエキシビションに触れ、「より確かなボクシングの記憶を創り出している」と締め括られた。

　試合後のリング上では、「自分的にはまだまだこれから成長できる。どんどん経験を積んで、もっと強くなっていきたい」とさらなる高みを見据えていた那須川。新たな収穫と課題を得た“神童”の今後から目が離せない。

構成●THE DIGEST編集部
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