望んでいた結果は出せなかった。だが、確かな成長を若武者は実感している。
今年4月にキックボクシングからプロボクシングデビューを果たした那須川天心(帝拳)。東洋太平洋スーパーバンタム級8位のファイターがデビュー2戦目で対峙したのは、メキシコのルイス・グスマン。同国のバンタム級王者相手に、神童はその異名たる所以を存分に魅せた。
1ラウンド目から、いきなりカウンターの左ストレートでダウンを奪ってみせた那須川。2ラウンド以降も足を使って切れのある動きを見せ、出だしの早いアッパーやボディーなどを次々とヒット。7回にも連打で相手をダウンさせた。
KO勝ちを狙った最終8回もパンチを打ち続け、最後の最後で相手の顎をクリーンヒット。再びダウンを奪い、見事なKO勝利。かと思われたが、直前にゴングが鳴っていたため、ボクシングでの初ノックアウトとはならず。それでも、判定勝ち(3-0)は明白だった。
試合後の会見で那須川は「無事に2戦目を勝つことができてホッとしている」と安堵したが、「課題というか、次に進むステップが見えた。自分的にはまだまだこれから成長できる。どんどん経験を積んで、もっと強くなっていきたい」とボクサーとしての手応えを口にした。
倒しきれなかった要因についても、25歳は冷静に分析する。1ラウンドでダウンを奪った場面について振り返ると、「(そこから)相手が何もしてこないときに、迷っちゃうというか。『どうやって攻めようか』みたいな。打って打って(相手が)出してきたのを合わせてというスタイルを今回は練習してきたので。そういうスタイルだけになってしまった」と柔軟に対応できなかったことに加え、詰めが甘い部分だったと認めている。
実はその際、リング上で思わぬアクシデントが発生していた。「パンチを打ったら、左手に稲妻が走って。どうしようみたいな感じにずっとなってました」と左拳を痛めたことを明らかにした。予想もしない出来事に「迷いがあった」と本音を吐露。「そういうのも含めて試合だと思うので。左が打てないんだったら、もっと右を打つとか。いろんなパターンを組み立てて、次はしっかりとできるように」と語り、トップボクサーへ歩むための課題だと向き合った。
真摯に課題に目を向ける源となっているのが、やはり幼少期から『最強』への憧れだと窺わせる。「自分がただ強くなりたい、最強になりたいっていうのが、キックデビューの時からずっとあるんで。お客さんがいる以上、しっかり勝ちたかったなっていうのはあります。目標が明確に見えたので、やっぱりボクシングおもろいなというか、自分の中で、もっと強くなれると思えた」と言い、若武者はさらなる高みを望んでいる。
収穫と課題を得たプロ2戦目。『最強』という理想郷を求め、神童はこれからも歩を止めるつもりはない。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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今年4月にキックボクシングからプロボクシングデビューを果たした那須川天心(帝拳)。東洋太平洋スーパーバンタム級8位のファイターがデビュー2戦目で対峙したのは、メキシコのルイス・グスマン。同国のバンタム級王者相手に、神童はその異名たる所以を存分に魅せた。
1ラウンド目から、いきなりカウンターの左ストレートでダウンを奪ってみせた那須川。2ラウンド以降も足を使って切れのある動きを見せ、出だしの早いアッパーやボディーなどを次々とヒット。7回にも連打で相手をダウンさせた。
KO勝ちを狙った最終8回もパンチを打ち続け、最後の最後で相手の顎をクリーンヒット。再びダウンを奪い、見事なKO勝利。かと思われたが、直前にゴングが鳴っていたため、ボクシングでの初ノックアウトとはならず。それでも、判定勝ち(3-0)は明白だった。
試合後の会見で那須川は「無事に2戦目を勝つことができてホッとしている」と安堵したが、「課題というか、次に進むステップが見えた。自分的にはまだまだこれから成長できる。どんどん経験を積んで、もっと強くなっていきたい」とボクサーとしての手応えを口にした。
倒しきれなかった要因についても、25歳は冷静に分析する。1ラウンドでダウンを奪った場面について振り返ると、「(そこから)相手が何もしてこないときに、迷っちゃうというか。『どうやって攻めようか』みたいな。打って打って(相手が)出してきたのを合わせてというスタイルを今回は練習してきたので。そういうスタイルだけになってしまった」と柔軟に対応できなかったことに加え、詰めが甘い部分だったと認めている。
実はその際、リング上で思わぬアクシデントが発生していた。「パンチを打ったら、左手に稲妻が走って。どうしようみたいな感じにずっとなってました」と左拳を痛めたことを明らかにした。予想もしない出来事に「迷いがあった」と本音を吐露。「そういうのも含めて試合だと思うので。左が打てないんだったら、もっと右を打つとか。いろんなパターンを組み立てて、次はしっかりとできるように」と語り、トップボクサーへ歩むための課題だと向き合った。
真摯に課題に目を向ける源となっているのが、やはり幼少期から『最強』への憧れだと窺わせる。「自分がただ強くなりたい、最強になりたいっていうのが、キックデビューの時からずっとあるんで。お客さんがいる以上、しっかり勝ちたかったなっていうのはあります。目標が明確に見えたので、やっぱりボクシングおもろいなというか、自分の中で、もっと強くなれると思えた」と言い、若武者はさらなる高みを望んでいる。
収穫と課題を得たプロ2戦目。『最強』という理想郷を求め、神童はこれからも歩を止めるつもりはない。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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