バレーボール

劣勢な場面で流れを呼び込んだ松井珠己!控え司令塔の“抜かりない準備”がプエルトリコ戦の勝因に!眞鍋監督も「今日は松井に尽きる」【女子バレー】

永野祐吏(THE DIGEST編集部)

2023.09.20

第2セット途中から出場した松井が大きな役割を果たした。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

「今日は松井に尽きるかな」

 9月19日に行なわれたパリ五輪予選を兼ねた女子バレーボールの『ワールドカップ』プエルトリコ戦後の会見で、眞鍋政義監督が高く評価したのは、2セット目9-11と劣勢な場面でコートに投入したセッターの松井珠己である。

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「今日の一戦は松井がムード、リズムを変えてくれたなと思っています。特に彼女のトリッキーなトスが非常に効果的。ディフェンスもサーブも良かった」

 ストレートでプエルトリコに勝利した日本代表だが、「立ち上がりからあまりリズムが良くなかった。Bパス(セッターが1、2歩動いて打つ)が返ってきても、点数がとれなかった」と振り返った眞鍋監督は、セッターを替える決断を下す。

 指揮官の期待に松井は応えた。アタッカー陣に落ち着いてトスを上げ、相手の守備体系を見てツーアタックも決めたのだ。難しい展開での起用ではあったものの、25歳は「あまり点数は気にせずに、しっかりアタッカーに打ってもらえるように丁寧なトスワークと、あとは外からブロックの傾向が見えていたので、それを見ながら丁寧に上げるっていうのを意識しました」とコートに入った時の心境を勝利後に語っている。
 
 冷静にゲームメイクした彼女だが、6月のネーションズリーグで途中出場した際には「入っても慌てちゃうことが多かった」と反省。その失敗で「頭と体の準備」の重要性に気づいたようで、いつでもコートに入る準備を徹底した。

「頭の準備は、ブロッカーの癖や、ここにパスが入って来たときは、こっちの攻撃がいいとか(考えること)。体の準備は、手の感覚が結構大事なので、イボイボのボールを触っている」

 開幕3連勝に導いた控え司令塔は、「スタートで出る準備もしっかりするようにはしていますが、今は途中出場が多い」とチームでの位置づけを踏まえたうえで、「その分、見る時間はある。見る時間を有効に使っていけたらいいかなと思っています」とベンチスタートの強みを活かす意向だ。

 ブルガリア、ベルギー、トルコ、ブラジルの4試合を残す火の鳥NIPPONは、パリ五輪の切符をかけ選手一丸となって戦う。

取材・文●永野祐吏(THE DIGEST編集部)

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