物議を醸した“太りすぎ発言”がなお波紋を広げている。
現地9月16・17日にロシア国内で開催されたフィギュアスケートの代表選考会「テストスケート」。そこに久々に登場したのが怪我明けのカミラ・ワリエワだった。北京五輪でのドーピング疑惑が決着を見ないなか、渦中の人物としても注目が集まる17歳はSP、フリーともに新プログラムを披露。4回転やトリプルアクセルなど難易度の高いジャンプこそ封印したものの、持ち前の技術と豊かな表現力で観衆を魅了した。
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その競技会場で地元テレビ局のインタビューを受けたのが、男子フィギュアスケート界のレジェンドであるエフゲニー・プルシェンコ氏の妻で敏腕プロデューサーとして名を馳せるヤナ・ルドコフスカヤ氏だ。気になったのはワリエワのふっくらとした見た目だったようだ。
「カミラはウェイトオーバーのようね。明らかに太りすぎていて、以前のようなカミラに戻ってほしい。体重を維持するのは大変だし、女子選手たちがそうしたことを話したがらないのはよく分かるわ。でも、必要なの。私はカミラ・ワリエワという顔、ブランドが長く続いてほしい。不可能なことではないはずよ。レナ・ラジオノワとも話していたんだけど、カミラは確かにセクシーになった。彼女の生活においては素晴らしいのかもしれないけど、スポーツ界で求められる美しさや体型はまた違ったものだから」
当然、ファンや関係者からは一斉にバッシングを浴び、セクハラだと批判する声も少なくなかった。慌てたルドコフスカヤ氏はSNSを更新し、「フィギュアスケートを語るうえで、美しさや体型は私の価値観のなかで大切なものなの。ごめんなさいね。ただ私は外見を議論したいのではなく、特殊な競技にあって安定したパフォーマンスを発揮するためには、適切な身体と筋肉が必要だということ。それを伝えたかっただけなの』と弁明。これを受けて論説を展開したのが、ロシアメディア『Sport24』のフィギュアスケート番記者であるアレーナ・ヴォルコワ氏だ。
敏腕の女性記者は「プロのスポーツ選手でさえ、年齢を重ねれば外見が変わるし、若年層の女性ならなおさら。思春期前の女の子が国際大会で活躍してきたフィギュアスケート界ではより顕著な問題だったかもしれない」と認めつつ、「ただ、カミラに関しては当てはまらない。彼女は1年前から自身の身体に変化が表れているのは分かっていたし、今回は大会直前の目の手術による練習不足が原因であの程度のパフォーマンスに抑えただけ。体型の変化は百も承知で、そこに折り合いをつけながらコーチ陣とトレーニングを重ねてきた。万全ならば4回転も跳べるはずよ」と指摘した。
さらにヴォルコワ記者は「フィギュアスケーターは極端に痩せていなければならない、小さくて痩せた女の子でいろ、というのは大きな誤解だと思う。実際にカミラはトリプルアクセルや4回転がなくても、ロシア国内ではそのコンポーネントのおかげで良い点数を出して競争力を維持している」と強調。そして、「どのような形であれ、フィギュアスケーターの外見を批判するのは間違っている。なぜ特定の変化が起こったのかは、本人か、親しい人にしか分からない。少なくとも心理的な観点からも、ああしたコメントは控えるべきよ」と断じた。
9月26~29日にスイス・ローザンヌのCAS(スポーツ仲裁裁判所)で、ドーピング問題の当事者たちを事情聴取する公聴会が非公開で行なわれる。いわば、ワリエワの今後のキャリアを左右する重要なタイミングだ。その点についても“太りすぎ発言”は「著しく配慮に欠けていた」とヴォルコワ記者は糾弾している。
構成●THE DIGEST編集部
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現地9月16・17日にロシア国内で開催されたフィギュアスケートの代表選考会「テストスケート」。そこに久々に登場したのが怪我明けのカミラ・ワリエワだった。北京五輪でのドーピング疑惑が決着を見ないなか、渦中の人物としても注目が集まる17歳はSP、フリーともに新プログラムを披露。4回転やトリプルアクセルなど難易度の高いジャンプこそ封印したものの、持ち前の技術と豊かな表現力で観衆を魅了した。
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その競技会場で地元テレビ局のインタビューを受けたのが、男子フィギュアスケート界のレジェンドであるエフゲニー・プルシェンコ氏の妻で敏腕プロデューサーとして名を馳せるヤナ・ルドコフスカヤ氏だ。気になったのはワリエワのふっくらとした見た目だったようだ。
「カミラはウェイトオーバーのようね。明らかに太りすぎていて、以前のようなカミラに戻ってほしい。体重を維持するのは大変だし、女子選手たちがそうしたことを話したがらないのはよく分かるわ。でも、必要なの。私はカミラ・ワリエワという顔、ブランドが長く続いてほしい。不可能なことではないはずよ。レナ・ラジオノワとも話していたんだけど、カミラは確かにセクシーになった。彼女の生活においては素晴らしいのかもしれないけど、スポーツ界で求められる美しさや体型はまた違ったものだから」
当然、ファンや関係者からは一斉にバッシングを浴び、セクハラだと批判する声も少なくなかった。慌てたルドコフスカヤ氏はSNSを更新し、「フィギュアスケートを語るうえで、美しさや体型は私の価値観のなかで大切なものなの。ごめんなさいね。ただ私は外見を議論したいのではなく、特殊な競技にあって安定したパフォーマンスを発揮するためには、適切な身体と筋肉が必要だということ。それを伝えたかっただけなの』と弁明。これを受けて論説を展開したのが、ロシアメディア『Sport24』のフィギュアスケート番記者であるアレーナ・ヴォルコワ氏だ。
敏腕の女性記者は「プロのスポーツ選手でさえ、年齢を重ねれば外見が変わるし、若年層の女性ならなおさら。思春期前の女の子が国際大会で活躍してきたフィギュアスケート界ではより顕著な問題だったかもしれない」と認めつつ、「ただ、カミラに関しては当てはまらない。彼女は1年前から自身の身体に変化が表れているのは分かっていたし、今回は大会直前の目の手術による練習不足が原因であの程度のパフォーマンスに抑えただけ。体型の変化は百も承知で、そこに折り合いをつけながらコーチ陣とトレーニングを重ねてきた。万全ならば4回転も跳べるはずよ」と指摘した。
さらにヴォルコワ記者は「フィギュアスケーターは極端に痩せていなければならない、小さくて痩せた女の子でいろ、というのは大きな誤解だと思う。実際にカミラはトリプルアクセルや4回転がなくても、ロシア国内ではそのコンポーネントのおかげで良い点数を出して競争力を維持している」と強調。そして、「どのような形であれ、フィギュアスケーターの外見を批判するのは間違っている。なぜ特定の変化が起こったのかは、本人か、親しい人にしか分からない。少なくとも心理的な観点からも、ああしたコメントは控えるべきよ」と断じた。
9月26~29日にスイス・ローザンヌのCAS(スポーツ仲裁裁判所)で、ドーピング問題の当事者たちを事情聴取する公聴会が非公開で行なわれる。いわば、ワリエワの今後のキャリアを左右する重要なタイミングだ。その点についても“太りすぎ発言”は「著しく配慮に欠けていた」とヴォルコワ記者は糾弾している。
構成●THE DIGEST編集部
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