バレーボール

「息詰まる試合」世界ランク1位トルコに惜敗も日本の”粘り強さ”に敵メディア脱帽!「スコア以上の接戦」【女子バレー】

THE DIGEST編集部

2023.09.24

世界ランク1位トルコに惜敗したが、日本の粘り強さに敵メディアは脱帽した。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 勝負には敗れたが、敵陣に強烈な印象を植え付けた。

 9月23日、東京・代々木第一体育館で開催されている『FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023』。女子大会は第6戦が行なわれ、5戦全勝同士の日本代表とトルコ代表が直接対決。日本が第1セットを先取するも、トルコの猛攻を防ぎ切れず1-3(25-22、22-25、24-26、12-25)で逆転負けを喫し、パリ五輪への道は今日の夜に行なわれるブラジル戦に持ち越しとなった。

 今年6月のネーションズリーグ(VNL)で初優勝を飾り、世界ランクトップの実力を誇るトルコに日本は怯まなかった。むしろ序盤から古賀紗理那、林琴奈が次々と得点を重ねていき相手を圧倒。第1セットをモノにし、王者を焦らせた。

 日本は第2セットも持ち味である素早いバレーで試合を有利に進めるが、徐々にギアを上げてきたトルコが反撃。一時は日本に逆転を許すも、絶対的エースのメリッサ・バルガスが強烈なスパイクを日本コートに叩き込み、このセットを取り返した。

 ようやく調子が出てきたトルコに日本は苦戦。常に相手にリードを許すが、途中出場の石川真佑が強打を放ち、宮部藍梨が高さのあるブロックなどで必死に流れを取り戻そうとするが、最後はトルコの猛攻が勝り第3、4セットを連続奪取。日本を突き放した。

 無傷の6連勝を飾ったトルコ代表が悲願の五輪切符を獲得すると、ベンチから一斉に控え選手が飛び出し、歓喜の輪ができた。この光景を目の当たりにした母国紙『Sozcu』は「トルコが開催国の日本を破った! オリンピックの切符を獲得した!」と速報を打った。「欧州選手権とVNLチャンピオンであり、世界ナンバー1のトルコチームは、日本を破ってグループ2位を確保した。この素晴らしい冒険の次章は、パリまで続く!」と綴り、破竹の国際試合21連勝を達成したチームを絶賛した。
 
 一方、同国の別メディアは日本代表の粘り強さに注目している。日刊紙『Milliyet』は「開催国の日本が第1セットを先取したにも関わらず、トルコは諦めずに相手を3-1で撃破し、オリンピックの出場権を獲得した」と2大会連続の五輪出場を称えたうえで、「本当に息詰まる試合だった」と断言。「スコア以上の接戦で手に汗握る展開」と振り返っている。

 特に第1セットから第2セット序盤までは「日本は効果的な試合運びだった」と指摘。加えて、「第1セット中盤はサリナ・コガとコトナ・ハヤシの効果的なプレーで6点差まで広げられた。結局このセットは25-22で日本が制した」とし、日本のオフェンスに脱帽している。

 さらに同紙は、第2セットについても言及。「お互いの得点で始まったが、次第に日本がアヤ・ワタナベ(渡邊 彩)、アリサ・イノウエ(井上愛里沙)を中心に得点を重ねていく。トルコもバルガスがアタックを決めるが、日本は3連続得点で3点差とし、トルコにタイムアウトを取らせた」と日本のリズムだったと認めている。

 最後は自国エースの活躍で、なんとかこのセットを奪取するも「落としていたら勝負は分からなかった」と肝を冷やしている。

 今大会初黒星がついた日本代表だが、まだパリへの道は閉ざされていない。残り1枚の切符を懸けて、世界ランキング3位ブラジルとの一騎打ちが待っている。勝った方がパリ行きを掴む大一番。火の鳥NIPPONが、最後の勝負に出陣する。

構成●THE DIGEST編集部

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