バレーボール男子日本代表が来年のパリ五輪出場を狙い挑む、『FIVBパリ五輪予選／ワールドカップバレー2023』が９月30日に開幕を迎えた。初戦に臨んだ世界ランク５位の日本は、同28位のフィンランドとのフルセットマッチを３－２（25-17、25-15、25-27、19-25、15-12）で制して、国立代々木競技場 第一体育館を埋め尽くした観客１万227人の前で白星発進を飾った。

【全メンバー画像】男子バレー日本代表「龍神NIPPON」14名の顔ぶれ！ 　この試合をライブで伝えた国際バレーボール連盟（FIVB）の配信サービス『Volleyball TV』の解説者は、開始前に注目選手として、アウトサイドヒッター（OH）主将・石川祐希をピックアップ。「彼の右腕は危険な武器。対戦相手に深刻なダメージを与える選手」と紹介した。その石川が豪快に相手ブロックを弾き飛ばして試合をスタートさせた日本が、力の差を見せつけて２セットを連取した。

　この日一番に会場を沸かせたのは、OH高橋藍が第２セット序盤に見せたスーパープレーだ。石川とセッター関田誠大のディグでラリーが続くと、体を空中で半回転させネットに背中を向けたまま、相手ブロックの外側から背面ショットを決めて見せた。

　これには解説者も驚きを隠せず、「なんというフィニッシュ！まさに魔法！」と大興奮。スロー再生が映し出されると、「ノールック弾！これは、今シーズンのナンバーワンショット。華麗な天才技！」と叫んだ。

　中盤には、フェイクセットでオポジット西田有志のバックアタックを演出。トリッキープレーの元祖、フランス代表イアルバン・ヌガペトを彷彿とさせるパフォーマンスを、「ラン・タカハシの２つのプレーは、今日のハイライトに確定だ」と感激しながら絶賛した。

　ところが、選手を入れ替え、リズムを掴んだフィンランドにフルセットへ持ち込まれ、最終セットは10-12の劣勢で終盤へ突入した。そこから、ミドルブロッカー（MB）小野寺太志のサーブを起点に猛攻を開始。MB山内晶大のブロックと相手の攻撃ミスで同点に追いつき、途中出場のOH大塚達宣のレセプションから高橋藍が逆転弾を叩き込んだ。そして、コートに戻った西田がブロックアウトで引き寄せたマッチポイントを、ここでも高橋藍が強烈なバックアタックで仕留めて試合終了。怒涛の５連続ブレークで辛くも相手を振り切り１勝目を挙げた。