勇敢な桜の戦士たちが、試合後に見せた変わらぬ振る舞いに賛辞が送られている。

　現地10月８日、フランスで開催されている「ラグビーワールドカップ（W杯）2023」のプールD・１次リーグ最終戦が行なわれ、世界ランキング12位の日本代表が同９位のアルゼンチン代表と激突。日本は27-39で敗北し、２大会連続のベスト８進出は叶わなかった。
【PHOTO】強豪アルゼンチンと死闘！最後まで闘い抜いた日本代表の勇姿に称賛の声！

　勝った方が準々決勝進出というシンプルな一騎打ちは、序盤から激しい火花を散らした。

　戦前の予想通り、アルゼンチンが屈強なフィジカルを生かしたパワフルなラグビーで日本に攻勢をかけた。力強いモールに苦戦を強いられた日本だったが、素早い展開から２トライを奪取。ボール支配率は46％と劣勢も強豪相手に14-15と善戦し、１点ビハインドで前半を折り返した。

　後半もアルゼンチン優位は変わらず。日本は常にリードを許す展開も、粘り強い守備と組織的なパス回しで点差を詰めていく。52分にはアルゼンチンが反則を犯すと、日本はショットを選択。これをペナルティゴール（PG）成功率94％を誇る松田力也がゴールを決めて５点差に。さらに４分後には、サモア戦でMVPを受賞したレメキ ロマノ ラヴァがドロップゴールを成功。ノリに乗ってる男の勢いで日本がついに２点差まで詰め寄ると、会場のボルテージは最高潮に達した。

　一進一退の攻防は続き、両チーム１トライ・１ゴールずつ決めて27-29にすると、W杯２度のベスト４を誇る強国が徐々に底力を発揮。68分に23歳のマテオ・カレーラスが３つめのトライを突き刺し、そのあとキックも決めて９点差にすると、75分にはPGで追加点。点差を12点に広げ、粘るブレイブ・ブロッサムズ（日本代表の愛称）を突き放したアルゼンチンがノーサイドのホイッスルを聞き、歓喜の雄叫びを上げた。
  　２大会ぶりの１次リーグ敗退が決まると、主将の姫野和樹や「笑わない男」の愛称で親しまれる稲垣啓太、驚異のキック成功率を誇った松田らが号泣。桜のジャージを着た男たちの旅路が終わりを告げた。

　強豪を最後まで苦しませたものの、一歩及ばずベスト８の切符を逃した悔しさは想像に難くない。ところが試合後、日本代表の選手たちはジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ（HC）や代表スタッフを含めて、スタンド前に全員が横一列になると深々と頭を下げた。前回のサモア戦同様、最後まで熱烈な応援を送ったすべての観客に感謝のお辞儀をして、グラウンドを去った。

　このシーンに大会公式（旧ツイッター）は即反応。日の丸が揺れるスタンドに一礼した日本代表へ「いつまでも謙虚なエンターテイナー」と称賛の言葉を贈っている。さらに、動画のコメント欄には国内外問わず、多くの喝采が次のように飛び交っている。

「日本代表、ありがとう」
「あなたたちを見ていて、本当に楽しかった」
「君たちは決して敗者ではない」
「自分たちをもっと誇りに思うべきだ」
「なんて美しい光景なの」
「これこそサムライスピリッツだ」
「永久保存したい」
「試合は負けたが、彼らこそ勝者にふさわしい振る舞いだ」

　今大会の日本代表スローガンは『OUR TEAM』。それが如実に表れた珠玉のシーンだった。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】アルゼンチン戦後、横一列で深々とお辞儀する勇敢な桜の戦士たち

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