ラグビー

英専門誌が「今大会で最もスリリングな試合」と唸ったアルゼンチン戦。日本の敗因は”個人スキルの差”を強調【ラグビーW杯】

THE DIGEST編集部

2023.10.10

アルゼンチンに敗れて肩を落とす日本代表。2大会連続の準々決勝進出は叶わなかった。(C) Getty Images

 フランスで熱戦が繰り広げられている「ラグビーワールドカップ(W杯)2023」。現地10月8日にはプールDの最終戦、日本代表対アルゼンチン代表が行なわれ、日本は27-39で敗北。1次リーグ敗退が決まった。
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 自国開催だった前回のベスト8以上を超える高い志で臨んだ今大会。決勝トーナメント進出には勝利するしかなかった日本は、一時2点差まで詰め寄り強豪を苦しませたが、最後は世界屈指のフィジカルを誇るアルゼンチンに突き放され、ノーサイドのホイッスルを聞いた。

 一歩及ばず、フランスを去る桜のジャージを着た戦士たちには海外メディアも労いの言葉をかけている。1999年に英国で発行されたラグビー専門誌『Planet Rugby』の電子版は、この試合のレビュー記事を配信。「日曜日に行なわれた日本とアルゼンチンは、今大会これまでのW杯で最もスリリングな試合のひとつだ」と評すほど、見応え十分な試合だと振り返っている。

 記事内ではまず、「ブレイブ・ブロッサムズ(日本代表の愛称)が望んでいた結果ではなかったが、魔法のような瞬間がある」と言及。「これまでのW杯のトライのなかで、間違いなく最高のひとつが生まれた。エレクトリックなロックのアマト・ファカタヴァによるものだ」とし、前半16分にファカタヴァが自分でボールを前に蹴って持ち込み、トライを奪ったシーンを絶賛した。
 
 トライだけではない。実は、その前にも識者らの目を釘付けにした超絶プレーがあった。

 前半11分、フッカーの堀江翔太がジャッカルで相手の反則を誘った、その直後だ。SH斎藤直人が後ろ向きでボールをキック。これが相手の裏に転がり、日本は大きなチャンスを作った。

 この場面は、そのあとノックオンで得点には結びつかなかったが、同メディアは26歳の日本人が魅せたトリッキーなプレーについて「日本のスクラムハーフ、ナオト・サイトウの鮮やかな後方チップを含む素晴らしいスキルがいくつかあったプールD・最終戦は、ラグビー熱の興奮が覚めやらぬ大観衆から大喝采を浴びた」と賛辞を贈っている。

 試合の総評を見ると、「最終的にロス・プーマス(アルゼンチン代表の愛称)が39-27で勝利し、準々決勝進出を決めた。両国が壮絶な打ち合いを演じたが、マテオ・カレーラスがハットトリックを達成する素晴らしいトライが決め手となり、ブレイブ・ブロッサムズを葬った」とし、個人能力に勝るアルゼンチンの23歳の新鋭がトドメを刺したと強調している。

 敗れたとはいえ、前回のW杯から確かな成長を示し、ラグビー識者を唸らせるほど、その強さを証明した日本。それだけに、一瞬の隙を突いて確実に勝利を掴んだアルゼンチンの個々のスキルや突破力など見習うべき課題も、また浮き彫りになった。

構成●THE DIGEST編集部

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