IOC（国際オリンピック委員会）の裁定にあらためて不満を爆発させた。

　現地10月19日、ロシア通信社『TASS』は、ロシア新体操連盟で会長を務めるイリーナ・ヴィネル氏のコメントを紹介した。国内で開催されているスポーツフォーラムにおいて語ったもので、IOCが来年のパリ五輪に向けて、ロシアとベラルーシの選手の参加を条件つきで認める方向を示したことに対して反発。IOCはロシアのウクライナ侵攻を積極的に支持せず、中立的な立場での参加を希望する選手に関しては、出場の可能性があると示唆している。

　ウラジーミル・プーチン大統領も同席するフォーラムで、ロシア新体制の栄華を築き上げたヴィネル会長は「中立の立場での参加など恥でしかないわ！」と語気を強め、「なぜ私たちの選手たちは国歌もファンもない白いユニホームを着なければならないのか。残念だけど、このような状態でオリンピックに出場することはない」と断言。現在も代表チームのヘッドコーチを兼務する75歳は、暗に個人参加を検討しているロシア人選手たちを牽制した格好だ。
  　IOCはヴィネル会長のコメントを受けて、「一連の措置はロシアがオリンピック憲章に違反した結果である。ロシア政府の行為によって選手が出場できなくなることがあってはならない」と反応した。これに先立って現地13日、IOCはROC（ロシアオリンピック委員会）の資格を停止している。ウクライナのドネツク、ルハンシク、ヘルソン、ザポロジエの各オリンピック委員会を自国委員会へ強制的に併合したための制裁措置だ。

　同フォーラムではプーチン大統領もIOCに対して、「政治的ジェスチャーだ。オリンピック自体が政治とは無関係な人びとに対する政治的圧力や、重大な人種差別、民族差別の道具として利用されている」と猛批判した。これについてもIOCは「民族差別という非難を強く拒絶する」と反論している。

構成●THE DIGEST編集部

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