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「ロシアはドーピングがまん延」米スケーター怒りの声明に露メディア反発! スケート界重鎮らは憤怒「何を言っているの?彼を訴えるべき!」

THE DIGEST編集部

2023.09.27

ワリエワ(左)のドーピング疑惑に対し、北京五輪の米国代表であるビンセント・ジョウ(右)が怒りの声明を発表した。(C)Getty Images

ワリエワ(左)のドーピング疑惑に対し、北京五輪の米国代表であるビンセント・ジョウ(右)が怒りの声明を発表した。(C)Getty Images

 1年半前のドーピング問題を巡り、新たな火種が勃発している。

 北京冬季五輪でドーピング違反が取り沙汰されている女子フィギュアスケートのカミラ・ワリエワ(ロシア)。いまだ収束の糸口が見られないなかで、現地9月26日から29日まで、スイスのローザンヌで同選手のドーピング審問がスポーツ仲裁裁判所(CAS)で非公開に行なわれている。

 はたしてCASでは、現在どんなやり取りが行なわれているのか。北京五輪から1年半以上が経過したいま、今回の審理が問題解決へと向かうのか注目されている。

 そんななか、北京五輪フィギュアスケート団体でアメリカの銀メダル獲得に貢献しながら、ワリエワのドーピング問題により、いまだメダルが手元に届かないビンセント・ジョウが、国際的なアスリート団体『Global Athletes』の公式サイトに怒りの声明を発表。「私とチームメイトがオリンピックでメダルを獲得してから、595日が経った。私たちはまだメダルを受け取っていない」などと記されたほか、問題を裁定する各所への不満を表明している。
 
 同選手は「団体競技の表彰式が行なわれるとき、IOC(国際オリンピック委員会)、CAS、RUSADA(ロシア反ドーピング機関)の重大な失態を象徴することになるだろう」と記し、「ロシアの反ドーピング機関は10年以上にわたってロシアのドーピングを助長してきた。IOCは、1000人以上の選手が関与した国家主導のドーピングプログラムに対するロシアの責任を問うことを繰り返し、拒否してきた」と綴り、IOCやRUSADAを猛批判。

 さらに、「私や私の仲間は、他のロシアのフィギュアスケート選手の間にドーピングがまん延していることを知っている。残念なことに、コンプライアンスを順守していない反ドーピング組織が、いまだにロシア国内のスポーツの完全性を保証する任務を担っていることを考えれば、これは誰も驚くことではない」と、ワリエワ以外のロシア選手もドーピングに関与していると衝撃の発言をした。
 
 ジョウの声明に露メディアも即反応している。最も憤怒しているのが、スポーツメディア『Sport24』だ。同メディアは「この根拠のないスピーチは、明らかにCASに圧力をかけようとしていることを示している。興味深いことに、笑顔のビンセントはロシアの同僚らと連絡を取り合っている」と鋭く指摘する。

 同メディアは、北京五輪の女子シングル金メダリストであるアンナ・シェルバコワ、銀メダリストのアレクサンドラ・トゥルソワ、さらにはグランプリシリーズに出場したエリザベータ・トゥクタミシェワやアリーナ・ザギトワなど、ロシア女子選手たちと一緒に収まった過去の写真を列挙しながら、「ジョウも彼女らを『ドーピング主義者』だと考えているのだろうか?」と皮肉を込めて非難した。

 米国人スケーターの声明には至極当然、露スケート界の重鎮らも怒り心頭である。タチアナ・タラソワ氏は「彼はロシアに来たことがあるの? いったい何を言っているの? 彼はこの言葉に責任を持つべきです! そして、訴えられるべき!」と語気を強め、ジョウの発言を一刀両断した。

 もうひとり、露フィギュアスケート界の名伯楽であるアレクセイ・ミーシン氏は「ジョウはいいフィギュアスケーターだ。しかし、彼はフィギュアスケートに対して悪い態度をとっている」と苦言を呈し、「ロシアのフィギュアスケーターが大会に参加することで、我々のスポーツはさらに良くなるのだから」と意に介さずだ。

 いまだ疑惑が晴れないワリエワのドーピング問題。闇は深まるばかりだ。

構成●THE DIGEST編集部

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