対戦相手の努力を称える主将の言葉が脚光を浴びている。

　現地10月21日、フランスで開催されている「ラグビーワールドカップ（W杯）2023」はいよいよ大詰めを迎えた。前日にはニュージーランド代表が決勝進出を決め、残り１枠を懸けてイングランド代表と南アフリカ代表が激突。残り３分で南アフリカが逆転し、16-15でイングランドを退け、２大会連続のファイナルに駒を進めた。

　前半は雨も味方につけたイングランドのキッキングゲームがうまくはまり、劣勢を余儀なくされた南アフリカ。しかし、後半にベンチメンバーを次々と投入して試合の流れを引き寄せると、後半29分に初トライを奪取。コンバージョンキックも決めて２点差に迫ると、後半38分に相手の反則で得た49メートルのペナルティゴールをハンドレ・ポラードが成功。スプリングボクス（南アフリカ代表の愛称）が劇的な逆転勝ちを飾った。

　試合の大半をリードしていたイングランドだったが、終盤に前回王者のプレッシャーに屈した。英国の日刊紙『Daily Express』の電子版サイト『Express.co.uk』によると、南アフリカ代表の主将シヤ・コリシは準決勝に進出したイングランドにノーサイド精神の賛辞を送っている。

　試合後、同選手は「イングランドにはすべての称賛を贈りたい。今日の準決勝に進出できたのは、彼らの努力の賜物だ」と強敵のタフさに脱帽した。「正直言って、僕たちはこれまでのハードワークが報われた。今日の試合、我々は内容がひどかった。でも、それがチャンピオンというものだ。反撃の糸口を見つけ、試合を振り出しに戻した。特にベンチ入りした選手たちを誇りに思うよ」とチーム一丸、底力で掴んだ勝利だと強調した。
  　コリシは、現地28日のスタッド・ド・フランスでの決勝戦は非常にタイトな一戦になると予想している。「オールブラックス（ニュージーランド代表の愛称）は昨夜、本当にいいプレーをしたが、わざわざ応援に来てくれた南アフリカのサポーター、そして母国のファンにも感謝したい。来週は大変な試合になるだろうし、特別な試合になるけど、彼らが僕らと一緒にいてくれるように願っているよ」と最高のライバルとの対決に闘志を燃やした。

　苦しみながらも２大会連続でファイナルの切符を得た南アフリカ。史上最多４度目の優勝を目指し、今大会最強の相手・ニュージーランドと対峙する。

構成●THE DIGEST編集部

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