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ラグビー

「深く失望している」英協会、“人種差別発言”を証拠不十分とした統括団体の裁定を非難! 南ア、ムボナンビは決勝スタメン入り

THE DIGEST編集部

2023.10.26

イングランドのカリーに差別的な発言をしたとされるムボナンビだが、証拠不十分とされた。(C) Getty Images

イングランドのカリーに差別的な発言をしたとされるムボナンビだが、証拠不十分とされた。(C) Getty Images

 ラグビーワールドカップ・フランス大会で物議を醸している“人種差別発言”騒動で新たな動きが見られた。国際統括団体の「ワールドラグビー」(WR)は南アフリカ代表のボンギ・ムボナンビが10月21日に行なわれた準決勝の試合中にイングランド代表のトム・カリーに対して差別的用語を使ったとされる事案についての調査結果の声明を発表した。

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 WRの公式サイトは10月26日、「いかなる差別の疑惑も極めて深刻にとらえており、徹底的な調査を保証している」としたうえで、「試合の映像、音声、両チームからの提出情報を含む、入手できるすべての証拠を考慮した結果、ワールドラグビーは現時点で告発するに十分な証拠がないと判断した。したがって、追加の証拠が公にならない限り本件は終了とみなされる」との文面を掲載。さらに、「ワールドラグビーはトム・カリーが誠意を持ってこの申し立てを行なったことを認めており、この申し立てが意図的な虚偽または悪意のあるものであったという示唆はないことに留意することが重要である」とした。

 また同団体は、現在両選手がソーシャルメディアで受けている攻撃についても懸念を示し、「ラグビーにも社会にも、差別、虐待、ヘイトスピーチが許される余地はなく、ワールドラグビーはファンに対し、敬意、誠実、連帯というラグビーの価値観を受け入れるよう促している」としている。

 このWRの声明に対して、イングランドの競技運営団体ラグビーフットボールユニオン(RFU)は同日、WRを非難する声明を発表。「RFUはワールドラグビーの決定に深く失望している。証拠を独立懲戒委員会に提出しないという決定は、懲戒手続きにおいてトム・カリーの声を聞き、これらの重大な出来事についての彼の説明を他の入手可能な証拠とともに独自に評価する機会を拒否したことになる」と遺憾の意を表明している。

 またカリーは2022年秋のテストマッチでもムボナンビから差別的行為を受けていたとされ、「WRはどちらの事件に関しても、告訴しない決定を発表した」としている。

 両者の声明はラグビー専門サイト『PLANET RUGBY』も取り上げ、「イングランド、ボンギ・ムボナンビの『人種的虐待』行為に対するワールドラグビーの評決を非難」などと報じている。

 決勝への出場が認められたムボナンビは、26日に発表された決勝のスタメンにも名を連ねている。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】ムボナンビ(背番号2)がトム・カリー(背番号7)と口論する一部始終

【音声】イングランド代表のカリーが“人種差別発言”を主審に訴える実音声

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