進退を窺わせる発言が波紋を呼んでいる。

　11月19日、新格闘技イベント『FIGHT CLUB』が都内で開催され、総合格闘家の朝倉未来がキックボクサーのYA-MANと対戦。１ラウンド１分17秒で朝倉が衝撃のKO負けを喫した。

　１分過ぎ、YA-MANの右カウンターが朝倉の顎をクリーンヒットすると、31歳は前のめりに崩れ落ちた。何とか立ち上がるもダメージは大きく、そのあとYA-MANが猛烈なラッシュを浴びせる。そして、再びリングに沈んだファイターに無情のゴングが鳴った。

　わずか77秒という、予想もしない短時間で決着がついた試合。かつて「路上の伝説」と称された男は茫然自失の表情でリングを去った。

　激闘から約３時間後の19日深夜、朝倉は自身のYouTubeチャンネルを更新。今後の進退について赤裸々に語った。
  　左眉付近に赤く腫れた傷をつけた朝倉は、「ちょっとまだ自分の記憶が戻ってなくて、（自分が）何者なのかなって」と言い、KO負けの衝撃を吐露。「試合を見返したんですけど、完敗していました」と素直に結果を受け入れると、「中途半端っすね。試合中の記憶もないけど。客観的に見て明らかに中途半端だし、いま率直な感想としては引退ですね」と述べ、「引退」の２文字を口にした。

　加えて、「寝技ですぐやられて（※）、次打撃でやられたわけでしょ。YA-MANに」と振り返りながら、「でも今回の試合ってRIZINじゃないでしょ？　RIZINでお世話になったし、RIZINで試合した方がいいかな？」と周囲に問いかける場面もあった。
※今年７月30日、『超RIZIN.2』のRIZINフェザー級タイトルマッチでヴガール・ケラモフ（アゼルバイジャン）に初のギブアップ負けを喫した。

　動画の中で何度も『引退』というワードを出した朝倉は、「RIZINという舞台で人生変わったし、アウトサイダーでも人生変わった」とも語っており、自身の認知度を大きく広めてくれた格闘技イベント『RIZIN』に対して恩義を感じているようだ。

　続けて、「それも含めて『BreakingDown』とか、格闘技の良さとかは今後も伝える手助けみたいのはしたいけど、自分自身は引退ですね」と言い、表舞台から身を引く意思があることを繰り返し明言した。

　ユーチューバーとしての顔を併せ持ち、良くも悪くも格闘技界に革命をもたらした「路上の伝説」は、ここで終焉となるのか。今後の動向が、引き続き注目される。

構成●THE DIGEST編集部

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