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ゴルフ

「自信を持ってプレーできませんでした」――挫折も味わった山下美夢有はなぜ2年連続“年間女王”に輝いたのか?【女子ゴルフ】

THE DIGEST編集部

2023.12.01

常に明るく前向きな山下。2年連続年間女王を手にした。(C) Getty Images

常に明るく前向きな山下。2年連続年間女王を手にした。(C) Getty Images

 申ジエとのデッドヒートを制し、2年連続年間女王の座を手にした山下美夢有。タイトルを決めたツアー最終戦の『JLPGAツアー選手権リコー杯』では、2位以下に3打差をつけての勝利を飾り、改めてその強さをアピールした。プロ転向4年目の22歳にして早くも絶対女王の貫禄を感じさせる山下だが、どのようにしてその地位を手にしたのだろうか。

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 6月第3週に開催されたニチレイレディスで今季4勝目を飾ったとき、多くの人間が山下の年間女王を疑わなかった。メルセデスランキングでは2位に600ポイント近くの差をつけて1位を独走していたのだから仕方がない。

 ちなみに、3日間大会で1位が獲得するのは200ポイント、4日間大会なら300ポイントであり、山下は2、3試合分のリードを保持していたことになる。ところが、その後の山下は優勝争いに絡みはするものの、勝利を手にすることができなかった。原因は自分のゴルフを見失ってしまったことにある。

「海外の試合で上位に入れず、帰国後は自信を持ってプレーすることができませんでした」。山下が言う海外の試合とは、7月第1週の『全米女子オープン』、第4週の『アムンディ・エビアン選手権』、8月第2週の『AIG女子オープン』だ。予選落ち、48位タイ、21位タイと確かに上位に食い込んではいなかった。

 海外メジャーともなればコースセッティングは難しくなるが、山下が悩んだのは、自分が思っていた以上にドローヒッターに不利なホールが多かったことだった。
 
「私の持ち球はドロー気味なんですが、ドローではなかなかピンに寄せられないホールが結構あって、そこから自分のスイングができなくなったんです」。ドローボールとはやや右に打ち出した後、軽く左に曲がる球筋だけに、ピンが右サイドに立っていると狙いにくい。あえて右に軽く曲がるフェードボールを打とうとしたが、逆球が出るなど、イメージと結果のギャップを埋めることができなかった。

「急に球筋を変えようとしたことがマイナスに働いてしまったんだと思います」。その影響もあり、国内ツアーでもしばらく優勝から遠ざかったが、ショットだけでなく、得意のパッティングにも微妙な違和感があった。それを払拭するためにいろんなパターを手にしたが納得のいくストロークはできなかった。
 
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