驚異的な粘りに母国メディアから賛辞が送られている。

　12月26日、東京・有明アリーナにて行なわれたボクシング世界スーパーバンタム級４団体王座統一戦では、WBC&WBO王者の井上尚弥（大橋）がWBA&IBF王者のマーロン・タパレス（フィリピン）と対戦し、10回１分２秒でKO勝ち。テレンス・クロフォード（米国）以来、史上２人目の２階級４団体統一王者に輝いた。
  　やはり井上の強さは圧巻だったが、この“モンスター”を相手に大健闘し、称賛を集めているのが“ナイトメア”の異名を持つタパレスだ。４回に左フックからのラッシュを浴び、ダウンも奪われたフィリピンの31歳。しかし、そこからディフェンスと要所のパンチで反撃を始めると、10回に倒れるまで下がらず、タフな戦いぶりを披露した。

　試合後、フィリピン放送局『ABS-CBN』の公式Xは、「マーロン、あなたを誇りに思う！」とねぎらいの投稿。記事内でも、「負けはしたが、ガッツあるパフォーマンスだった」と指摘し、「序盤はよく守り、中盤にイノウエと真正面から対抗するが、かなりのダメージを受けて10回に崩れ落ちた」と試合内容を伝えている。

　また、同国メディア『The Manila Times』は、「フィリピン人初の４団体統一を目指し、懸命に戦ったタパレスだが、最終的には、はるかに格上のイノウエに屈した」と報道。「見せ場を作った」と母国ファイターの健闘を称えつつも、「KO前からイノウエは相手のスタミナを削っており、明らかに勝っていた」と分析している。

　白熱したファイトを繰り広げ、見る者を大いに沸かせた両雄。なお、これでプロ戦績は、井上が26戦全勝（23KO）、タパレスが41戦37勝（19KO）４敗となっている。

構成●THE DIGEST編集部

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