早くもモンスターのもとには、挑戦状が届いているようだ。

　12月26日、東京・有明アリーナでボクシングの世界スーパーバンタム級４団体王座統一戦が開催され、WBC・WBO同級王者の井上尚弥（大橋）がWBA・IBF同級王者マーロン・タパレス（フィリピン）に10回KO勝ちを収め、史上２人目となる２階級での主要４団体王座統一を果たした。通算戦績は26戦全勝（23KO）、日本人最多タイの世界戦通算21勝目も飾った。
【PHOTO】井上尚弥がKO勝利！史上２人目となる２階級での４団体統一王者に輝く！

　難攻不落のタパレスの牙城が崩れたのは第４ラウンドの終盤だ。鋭いワンツーから左フックで顔面を捉えると、足元がふらつき、この隙を見逃さなかった井上がロープ際で猛ラッシュ。この試合、初めてのダウンを奪った。
　
　それ以降も井上が優位に試合を進めていくも、タパレスが驚異の粘り強さを発揮。強固なディフェンスにはモンスターも手を焼き、試合は終盤へ突入。のちに記者会見で、「判定決着も頭をよぎった」と明かすほど、苦戦を強いられた。

　迎えた10回、井上が見事なワンツーを突き刺し、ついに２度目のダウンを奪取。両膝をついたタパレスはダメージの蓄積が著しく立ち上がることができず、10カウント。終始試合を支配した井上が４本のベルトを手中に収めた。
  　２年連続で４団体王座統一という前人未到の快挙を成し遂げた井上には、早くも百戦錬磨のボクサーからラブコールが届いている。

　試合後には早速、元２階級制覇王者ルイス・ネリ（メキシコ）が自身のSNSを更新。メキシコと日本国旗の絵文字に４つのトロフィーを添えて「日本で会おうぜ！」と、宣戦布告とも受け取れるメッセージを無敗の王者に送った。

『悪童』だけではない。今年４月にタパレスに敗れ、王座から陥落した前WBA・IBF世界スーパーバンタム級王者のムロジョン・アフマダリエフ（ウズベキスタン）も、井上の試合後に自身のX（旧ツイッター）を更新。「イノウエは真のモンスターだ」と日本人ボクサーの圧倒的な強さを称賛するも、「でも俺はお前が対戦してきた誰よりも賢くて、強いぞ！　やろうじゃないか、チャンピオン！　すごい試合になるはずだ！」と鼻息が荒い。

　どちらも魅力的な相手であることは確か。世界中のファイターから、早くも”モンスター狩り”の標的にされた井上の次戦の相手が注目される。

構成●THE DIGEST編集部

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