その驚異的な強さは欧州にも轟いている。

　12月26日、東京・有明アリーナで行なわれたボクシング世界スーパーバンタム級４団体王座統一戦では、WBC&WBO同級王者の井上尚弥（大橋）がWBA&IBF同級王者のマーロン・タパレス（フィリピン）と対戦し、10回１分２秒でKO勝ち。テレンス・クロフォード（米国）以来、史上２人目の２階級４団体統一王者に輝いた。

【画像】井上尚弥がKO勝利！史上２人目となる２階級での４団体統一王者に輝く！ 　やはり井上の強さが際立った。"モンスター"を相手に"ナイトメア"の異名を持つタパレスも４回にダウンを喫して以降、粘りに粘ったが、蓄積されたダメージは測り知れず、10回に左ジャブと右ストレートのワンツーを打ち込まれると、我慢しきれずダウン。カウントアウトで井上に軍配が上がった。

　このカードを戦前から注目してきたフランス大手のスポーツ専門メディア『RMC SPORTS』は、「2つの異なる階級の4つのタイトルを統一するというクレイジーな挑戦に成功し、井上尚弥がボクシングの歴史にその名を決定的に刻むことを可能にした」と、その偉業を報じている。

　また昨年12月13日にバンタム級で４団体を制覇してから、わずか１年での２階級目の４団体制覇という快挙にも着目し、「この日本人の無敗記録は、まさに怪物的だ」と驚愕。「わずか1年で2つの異なる部門で誰もが認めるチャンピオンとなったほか、合計13回のタイトル防衛、26勝中23KO（KO率88％）というものだ」と、井上のこれまでの圧巻の軌跡を振り返っている。

　そして、今後のパウンド・フォー・パウンドについても、「今夏に同じ偉業を成し遂げたクロフォードを抑えて１位になる可能性が十分にある」と見解を示すと、「間違いなく、2023年はボクシング界において歴史的な年だった」と指摘している。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】井上尚弥がタパレスにKO勝利！ 10回のダウンシーンをチェック